基本・早囲い・森下システム

矢倉の基本は、先手なら7七銀・7八金・6七金で8八玉を守る形です。早囲いは角と玉の移動順を工夫して入城を早め、森下システムは右銀を4八に残して囲いを優先し、相手を見て攻め方を選びます。同じ矢倉でも、囲いに使う手と攻めの準備に使う手の配分が異なります。

早囲い・玉を7八にとどめる比較例

22手目学習の開始局面
後手持ち駒
  • 持ち駒なし
先手持ち駒手番
  • 持ち駒なし
早囲い・玉を7八にとどめる比較例△7三桂

玉を7八にとどめる

同じ7三桂の局面から、8八玉を急がず6八金とする比較例です。後手が同じ8五桂・6五歩を選んだ場合を並べ、6五歩を取れる条件を確認します。受けの最善手を断定する手順ではありません。

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新版 羽生の頭脳6 最強矢倉・森下システム

森下システムと雀刺しの基本を学ぶ方に

新版 羽生の頭脳6 最強矢倉・森下システム

羽生善治

マイナビ出版 ・ 2026年刊

森下システムと雀刺しの攻防など、矢倉の基本手順を学ぶ一冊。2026年の新版ですが内容は1993年版と同じで、最近の急戦研究とは分けて読む本です。

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一手ごとの理由を知りたい方へ

1手ずつ解説する基本の矢倉

金井恒太

マイナビ出版 ・ 2022年刊

矢倉の駒組みから攻め合いまで、一手ずつ意味を追いながら学べます。加藤流や脇システムなどを、盤に並べてゆっくり理解したい方の入口に。

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後手の急戦に備えたい矢倉党へ

先手矢倉の逆襲

石井健太郎

マイナビ出版 ・ 2021年刊

矢倉に組む途中で仕掛けられたときの対応を、▲7七銀型と▲6六歩型に分けて学びます。早繰り銀や左美濃急戦に備え、先手で矢倉を指し続けたい方に。

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相矢倉の基本的な攻め筋を学ぶ

初段に勝つ矢倉戦法

森下卓

創元社 ・ 2003年刊

棒銀・スズメ刺し・▲3七銀戦法など、相矢倉の攻め筋を学ぶ基本書。理想的な形からの攻めを理解したい方に向いています。近年の急戦対策は別の本で補いましょう。

基本・早囲い・森下システムの解説

矢倉の基本は、先手なら7七銀・7八金・6七金で8八玉を守る形です。早囲いは角と玉の移動順を工夫して入城を早め、森下システムは右銀を4八に残して囲いを優先し、相手を見て攻め方を選びます。同じ矢倉でも、囲いに使う手と攻めの準備に使う手の配分が異なります。

矢倉の基本24手組

相矢倉の金銀の骨格を作る、代表的な24手を学びます。本教材は後手の玉を4一へ動かす手順です。相手が急戦を選べば同じ順には組めないため、駒組みの分岐と合わせて確認しましょう。

この手順を盤面で確認する
手順と一手ごとの解説

初形からの手順です。

  1. ▲7六歩 — 角道を開ける

    7六歩で角道を作ります。矢倉では左の金銀で玉を守り、右側の駒を攻めに使うのが基本です。

  2. △8四歩 — 後手は飛車先を進める

    後手は8筋を狙います。先手は銀を動かし、8六への侵入に備えます。

  3. ▲6八銀 — 左銀を囲いへ使う

    6八銀なら次に7七へ上がれます。7九も空くので、後に角を引く道になります。

  4. △3四歩 — 後手も角道を開く

    双方の角が向き合いました。先手は歩か銀で角道を止め、矢倉の駒組みへ進みます。

  5. ▲6六歩 — 歩で角道を止める

    ここでは6六歩型を選びます。5手目7七銀型との違いは、6五歩から歩をぶつけられる接点ができることです。

  6. △6二銀 — 右銀を中央へ

    後手は6二銀。右銀を5三や6三へ使う準備で、まだ相矢倉にも急戦にも進めます。

  7. ▲5六歩 — 角道を空ける

    5七を空けると、7九に引いた角を6八から先へ使えます。囲いと角の活用を一緒に準備します。

  8. △5四歩 — 後手も5筋を進める

    後手は5三を空けました。銀の進路と、3一へ引いた角の活用を作る手です。

  9. ▲4八銀 — 攻めの銀を上げる

    4八銀は3七や5七へ使えます。金を動かす前に、右銀も働ける位置へ出します。

  10. △4二銀 — 後手の左銀も前へ

    4二銀から3三へ進めると金矢倉、5三へ進めると急戦の構想があります。

  11. ▲5八金右 — 右金を玉の前へ

    5八金右で中央を支えます。この金を6七へ運び、守りの骨格を作ります。

  12. △3二金 — 後手の金を上げる

    3二金が2三を守ります。後手も左側へ玉を囲う準備です。

  13. ▲7八金 — 角と銀を金で支える

    7八金が8八角と6八銀を支えます。早囲いではこの手を後回しにし、玉が7八を通ります。

  14. △4一玉 — 後手の玉を移す

    後手玉が4一へ寄ります。3一へ入るには、今後角の配置も整える必要があります。

  15. ▲6九玉 — カニ囲いを経由する

    6九玉・7八金・5八金・6八銀の形です。急戦になれば、ここから受けを優先して戦うこともあります。

  16. △7四歩 — 後手の桂の道を作る

    7四歩は7三桂を可能にします。歩を動かすと、桂や角の利きも変わります。

  17. ▲6七金右 — 金を6七へ運ぶ

    6七金は6六歩を支えます。6筋への攻めに金を利かせ、次に左銀を上げます。

  18. △5二金 — 後手も金を中央へ

    5二金は次に4三へ進めます。ここでは双方が囲いを整える穏やかな進行です。

  19. ▲7七銀 — 銀を矢倉の位置へ

    7七銀は8六を守り、6六歩も支えます。金銀が離れないように組み上げました。

  20. △3三銀 — 後手も守りの銀を上げる

    3三銀は2四を守ります。2筋を攻めるときは、この銀をどう動かすかがテーマになります。

  21. ▲7九角 — 角を引いて使い直す

    7九角は5七を通して前方をにらみます。8八が空き、玉の入城にも近づきました。

  22. △3一角 — 後手も角を引く

    後手は3一角。6四へ出す手や4二へ上げる手を見て、角を活用します。

  23. ▲3六歩 — 銀と桂の進路を作る

    3七を空けます。次に3七銀とするか、角を6八へ上げて囲いを優先するかを選べます。

  24. △4四歩 — 基本24手組の到達点

    4三を空け、5二金を4三へ上げる準備です。角はすでに3一にいるため、この歩で角道を閉じたわけではありません。双方の玉はまだ入城前です。

    この変化の振り返り次は、攻め銀を使う▲3七銀か、囲いを優先する▲6八角が候補です。△6四歩・△7三桂などの急戦の準備が見えたら、入城より先に6六歩と7七銀の守りを確認します。

早囲い

7八金を後回しにし、玉を6八〜7八〜8八へ運びます。相手が穏やかに組む場合の手順で、急戦の最中に無条件で入城する手順ではありません。

この手順を盤面で確認する
手順と一手ごとの解説

12手目の開始局面からの手順です。盤面では初形に戻して出だしも確認できます。

  1. ▲6七金 — 金を先に6七へ

    7八金を後回しにし、5八の金を6七へ上げます。玉が7八を通る余地を残します。

  2. △4一玉 — 後手は玉を寄せる

    後手が囲いを進める場合です。早囲い側は相手の銀や桂が攻めに出てこないかも見ます。

  3. ▲7七銀 — 銀で前を守る

    7七銀・6七金がそろいました。6九金はまだ元の位置に置いておきます。

  4. △5二金 — 後手が金を上げる

    後手も囲いを整えます。先手は角を一度引き、8八を玉のために空けます。

  5. ▲7九角 — 角は7九にとどめる

    7八を玉が通るので、角を6八へ動かす必要がありません。通常の組み方との手数の違いです。

  6. △7四歩 — 後手の桂の準備

    7四歩で7三桂の道ができました。ここでは後手も囲う手順を続ける進行例を並べます。

  7. ▲6八玉 — 玉を6八へ

    6八玉へ寄りました。後手が3三銀・3一角と組むなら早囲いを続けられます。6四歩・7三桂と速く動く場合は、8八への入城を急いでよいかを見直します。

  8. △3三銀 — 後手は銀で守る

    3三銀で2四を押さえます。相手が銀・桂を攻めに使う場合は、早囲いを続けられるか判断が必要です。

  9. ▲7八玉 — 玉を7八へ寄せる

    7八金を保留したため、玉を7八へ寄せられます。7九角を動かさずに囲えるのが、早囲いの特徴です。

  10. △3一角 — 後手も角を引く

    後手は角を3一に置きます。双方の角が引かれ、囲いを進める形です。

  11. ▲8八玉 — 玉を囲いへ入れる

    8八玉と入城します。金銀の前面だけでなく、横からの攻めへの備えも仕上げます。

  12. △4四歩 — 金を上げる場所を空ける

    4四歩で4三を空けます。後手は4三金へ組めるようになり、先手は残していた6九金を7八へ寄せます。

  13. ▲7八金 — 最後に金を締める

    7八金で金矢倉が完成しました。角を6八へ動かす一手を省いた組み方です。

    この変化の振り返り次は3六歩から3七銀など、右側の攻撃形を整えます。早囲いの途中で相手が6四歩・7三桂を急ぐ場合は、分岐図の「急な桂跳ね」と「玉を7八にとどめる」を比べてください。

早囲い・急な桂跳ねに銀を追われる

後手が6四歩・7三桂を急いだ局面です。先手がそのまま8八へ入城すると、銀を追われた後に6五歩を歩で取れなくなる理由を確かめます。玉を7八にとどめる比較例も分岐図から選べます。

この手順を盤面で確認する
手順と一手ごとの解説

22手目の開始局面からの手順です。盤面では初形に戻して出だしも確認できます。

  1. ▲8八玉 — 角筋へ入る

    早囲いを続けて8八へ入りました。7七銀と6六歩が2二角の利きを遮っていますが、この二枚を動かすと玉に利きが通ります。

  2. △8五桂 — 桂で7七銀を追う

    8五桂が7七銀に当たります。桂を跳ねられてから銀を逃がすと、角道を遮る駒が一枚減ります。

  3. ▲8六銀 — 銀を逃がす一例

    8六銀を8七歩で支える逃げ方です。7七が空き、2二角と8八玉の間を遮る先手の駒は6六歩だけになりました。

  4. △6五歩 — 角道を止める歩へ当てる

    6六歩にぶつけます。▲同歩は2二角から8八玉へ利きを通してしまうため、王手放置となり指せません。入城を急いだ結果、歩で取り返す選択肢を失った局面です。

    この変化の振り返りここは詰みや強制的な駒損を示す終点ではありません。次の手は、角道を遮る受けや玉の位置を読み直す必要があります。22手目へ戻り、6八金で入城を保留する場合との違いを比べましょう。

早囲い・玉を7八にとどめる比較例

同じ7三桂の局面から、8八玉を急がず6八金とする比較例です。後手が同じ8五桂・6五歩を選んだ場合を並べ、6五歩を取れる条件を確認します。受けの最善手を断定する手順ではありません。

この手順を盤面で確認する
手順と一手ごとの解説

22手目の開始局面からの手順です。盤面では初形に戻して出だしも確認できます。

  1. ▲6八金上 — 玉を7八にとどめて金を上げる

    入城を保留する比較例です。6九金を6八へ上げて7八玉を支えます。代わりに7九角の斜め前をふさぐため、後で角の活用を考え直す必要があります。

  2. △8五桂 — 同じ桂跳ねを受けて比べる

    比較のため、後手が同じ8五桂を選ぶ進行を並べます。7七銀への当たりは同じでも、先手玉が8八にいない点が違います。

  3. ▲8六銀 — 銀を8七歩で支える

    銀を8六へ逃がす一例です。7七は空きますが、7八玉は2二角の利きから外れています。

  4. △6五歩 — 同じ6五歩の仕掛けを比べる

    ここでも6六歩にぶつける進行です。今度は、歩で取り返しても自玉に角の利きは通りません。

  5. ▲同歩 — 玉の位置が違えば歩で取れる

    6五歩を取り、歩を一枚持ちました。玉が7八にいるため、この取り方は合法です。8八玉の例との違いは、守備駒の枚数だけではなく玉と角の位置関係にあります。

    この変化の振り返り次は8五桂の狙いと8六銀の退路を見ながら陣形を整えます。6八金は玉を支えますが7九角の利きも止めています。入城を保留しただけで安心せず、角を使い直す方針も必要です。

森下システム

森下システムは、右銀を4八に残して先に囲いを整え、相手の作戦を見てから銀・桂の使い方を決める構想です。3七銀を早く決める戦法とは手の順序が違います。この教材では25手目の6八角から玉を囲い、その後に4七銀・3七桂を選ぶ一例を学びます。

この手順を盤面で確認する
手順と一手ごとの解説

24手目の開始局面からの手順です。盤面では初形に戻して出だしも確認できます。

  1. ▲6八角 — 角を上げて玉の道を空ける

    右銀を4八に残して6八角とします。攻めの形をすぐ決めず、先に囲いを整える構想です。

  2. △4三金右 — 後手の矢倉の金

    4三金が3三銀を支えます。先手は玉の入城を続けます。

  3. ▲7九玉 — 玉を角の後ろへ

    角が6八へ移ったので7九へ寄れます。右銀・右桂は、後手の配置に合わせて使います。

  4. △4二角 — 後手は角を上げる

    3一を玉の通路に空ける手です。角の位置も、今後の攻め合いの条件になります。

  5. ▲2六歩 — 飛車先は一つ進める

    2六歩にとどめ、2五は桂を跳ねる候補地として残します。

  6. △3一玉 — 後手玉が3一へ

    後手の玉も囲いへ近づきます。先手は最後に8八へ入ります。

  7. ▲8八玉 — 金矢倉へ入城する

    8八玉・7八金・6七金・7七銀がそろいました。ここで右銀はまだ4八にいて、攻め方を選べます。

  8. △2二玉 — 後手も入城する

    双方の玉が矢倉へ入りました。相手の端攻めにも注意しつつ、右側の駒を使う段階です。

  9. ▲4六歩 — 右銀を中央へ使う一例

    4七を空けます。この教材では4七銀型を選び、右銀を3七へ出す形と比べます。

  10. △6四歩 — 後手の右銀の進路

    6四歩で6三を空けます。先手も、中央の銀と桂を組み合わせます。

  11. ▲4七銀 — 銀を4七へ

    4七銀は3六・4六・5六を支えます。森下システムは、この攻撃形だけに限定された呼び名ではありません。

  12. △6三銀 — 後手の銀も中央へ

    後手は6三銀と使います。お互いに、金銀の守りを保ちながら攻めを準備します。

  13. ▲3七桂 — 桂を攻めに加える

    3七桂から2五・4五へ跳ねる準備です。桂が進んだ先は2六歩・4六歩で支えられます。囲いを先に整え、相手を見て銀桂の配置を決める流れを覚えましょう。

    この変化の振り返り次は3五歩で3筋に接点を作る構想などを考えます。4二角・3三銀の応手と、桂を跳ねた先の歩の支えを確認してから動きます。囲いを先に作っても、攻めの準備は別に必要です。

6七金左型の矢倉

左の7八金を▲6七金左と上げた局面です。5八金を残した組み方から、玉と右銀・桂の配置を整えます。

この手順を盤面で確認する
手順と一手ごとの解説

19手目の開始局面からの手順です。盤面では初形に戻して出だしも確認できます。

  1. △5二金 — 後手は金を中央へ

    後手が5二金とした進行例です。先手は空いた7八へ玉を寄せます。

  2. ▲7八玉 — 玉を7八へ寄せる

    6七金左型では玉を7八へ置けます。6七金・5八金・7七銀の連係を確認しましょう。

  3. △7四歩 — 後手の桂の道を作る

    後手は7三桂から6五や8五を狙う準備をします。先手は角を引きます。

  4. ▲7九角 — 角を7九へ引く

    7九角にすると5七から右側をにらめます。8八を空け、後の玉の動きも残します。

  5. △7三桂 — 後手は桂を跳ねる

    後手の桂が7三へ出ました。囲いの形だけでなく、6五の接点にも注意します。

  6. ▲2六歩 — 飛車先を進める

    2六歩から2五歩を見せます。この教材では右銀を3七へ使う形を続けます。

  7. △8五歩 — 後手も飛車先を伸ばす

    8五歩に対しては7七銀が8六を守っています。7八玉と銀の連係を保ちます。

  8. ▲2五歩 — 2筋の交換を見せる

    2五歩で2四の歩交換を狙います。後手が3三銀で受ける場合です。

  9. △3三銀 — 後手は銀で飛車先を受ける

    3三銀が2四を守ります。先手は右銀と桂を攻めに使います。

  10. ▲3六歩 — 右銀の進路を空ける

    3六歩で3七を空けます。5八金は中央に残しています。

  11. △4四歩 — 後手は角道を閉じる

    後手は4四歩で矢倉に組む形です。ここからは銀の使い方も比較できます。

  12. ▲3七銀 — 攻めの銀を3七へ

    3七銀から4六銀を目指します。守りの配置を変えても、右銀を攻める役に使えます。

  13. △3一角 — 後手は角を引く

    3一角から6四へ活用する余地を作ります。先手も攻撃形を整えます。

  14. ▲4六銀 — 銀を4六へ使う

    4六銀が3五を支えます。3七が空いたので右桂を跳ねられます。

  15. △4三金右 — 後手の金が上がる

    後手は4三金型にします。先手は桂を攻めに加えます。

  16. ▲3七桂 — 桂を加えて攻撃形へ

    3七桂がそろいました。6七金左・5八金・7八玉という守りと、右側の銀桂を組み合わせた形です。

    この変化の振り返りここからは3五歩の交換から4六銀を使う構想を考えます。5八金は6七金を支えているため、攻めに使う前に守りへの影響を確認します。6七金右型とは残る金と玉の位置が違います。