囲い

居飛車・振り飛車でよく使う26の囲いを集めました。玉の位置と金銀のつながりを比べて、自分の戦い方に合う形を見つけましょう。

図はすべて先手側から見た9×9の参考図です。囲いの駒と飛車の位置を示し、相手側などの駒は省略しています。分類は主な使われ方に基づき、左右を入れ替えて使う囲いもあります。

居飛車の囲い

相居飛車の囲いと、振り飛車に対する急戦・持久戦の囲い。

相居飛車の代表的な囲い

金矢倉

きんやぐら

玉の前を7七銀・7八金・6七金で厚くする。

8八玉の前に7七銀・7八金・6七金を並べ、上からの攻めに備える形です。金銀が前方を支えるので、相手の飛車先を受けながら駒組みを進められます。

8七の地点や端への攻め、横からの飛車・龍には注意が必要です。金銀のつながりを保ち、囲いの駒だけを先に動かさないようにします。

居飛車|二枚の銀で前方を守る

銀矢倉

ぎんやぐら

7七銀・6七銀・7八金の形。6七銀は7八金にも利く。

7七銀・6七銀を並べ、7八金と8八玉を組み合わせた囲いです。金矢倉の6七金が銀に替わり、6七銀も7八金を支えます。角換わりなどから右銀を引き付けて組むこともあります。

銀は真横に利かないため、6七銀だけでは5七を守れません。また、銀を二枚とも囲いに使うので、攻めに回せる駒が足りるかも考えます。

居飛車|角交換後の矢倉など

片矢倉

かたやぐら

7八玉・7七銀・6八金・6七金の形。

金矢倉の8八玉・7八金に対し、7八玉・6八金でとどめる形です。7七銀と6七金は同じで、玉と金の位置が違います。

6八金が5九や6九への角打ちに備えます。一方、8七を守る駒の数は金矢倉と違うため、同じ感覚で飛車先を受けないようにします。

居飛車|桂を跳ねて、矢倉の玉を低く

菊水矢倉

きくすいやぐら

8九玉・8八銀・7七桂に、7八金・6七金を組み合わせる。

玉を8九、銀を8八に置き、桂を7七へ跳ねた矢倉の仲間です。6七金・7八金で前方を支えます。掲載したミレニアムと比べると、7九ではなく6七に金がいるのが違いです。

6七金は6六の歩を支えますが、玉の横の7九には金がいません。横や下からの侵入と、桂の頭にあたる7六への攻めに気を配ります。

居飛車|矢倉へ組む途中にも

カニ囲い

かにがこい

6九玉・6八銀・7八金・5八金の形。

6九玉の前に6八銀、その左右に7八金・5八金を置きます。金銀を中央にまとめる、相居飛車の基本的な形です。

6八銀を7七へ進めると矢倉に発展できます。玉を一段目に置くため、飛車を打ち込まれる横の隙には注意します。

居飛車|二枚銀で中央を支える

雁木囲い

がんぎがこい

6九玉・6七銀・5七銀・7八金・5八金の形。

6七銀を軸に金銀を中央へつなげる囲いです。図は5七にも銀を置く二枚銀型で、玉を6九、金を7八と5八に配置しています。

右銀を4七に置くツノ銀型もあります。銀を攻めに使うと守りの配置も変わるので、囲いが完成したら固定する、という考え方だけでは使いこなせません。

居飛車|左右の守りと玉の広さを生かす

右玉

みぎぎょく

4八玉・2九飛の風車型。飛車の横の利きと、左右の金銀を使う。

居飛車で玉を右側へ置き、2九飛の横の利きも受けに使う構えです。図は6七銀・4七銀を配置した風車型の一例で、左右に金銀を分けて守ります。

金銀を一か所に集めた囲いほど玉の周囲は厚くありません。飛車の横の利きが途切れないか、玉が3八や中央へ移れるかを確認します。

相掛かり・横歩取りなど

中住まい

なかずまい

5八玉を中心に、金銀を左右に配した一例。

玉を初形の5九から5八へ一つ上げ、左右の金銀とバランスを取る構えです。図は一例で、周りの金銀の配置は戦型によって変わります。

囲いを固める手数を攻めや駒の活用に回せますが、玉の前方は厚くありません。中央の歩を突かれたときや、角を打たれるすきに注意します。

居飛車|相掛かり・横歩取り

中原囲い

なかはらがこい

6九玉・7八金・5九金・8八銀・4八銀の形。

6九玉を中心に、7八金・5九金・8八銀・4八銀を低く構える一例です。中住まいと違い、玉は一段目に置きます。

金銀を低く保つと、飛車を打つ隙を減らせます。金銀を攻めに動かすときは、その駒が守っていた打ち込み場所も確認します。

居飛車で、振り飛車に対するとき

舟囲い

ふながこい

7八玉・7九銀型の舟囲い。

玉を7八まで運び、7九の銀と6九・5八の金を近くに置く形です。比較的少ない手数で組めるため、早めに攻める急戦の土台になります。

ここから左美濃や穴熊へ組み替えることもできます。金銀を前へ出しすぎると玉が薄くなるので、攻め始めるタイミングとセットで考えます。

居飛車の対振り飛車急戦

エルモ囲い

7八玉・6八銀・7九金に、5九金を加える。

7八玉の下に7九金、斜め下に6八銀を置き、5九金をつなげる形です。低い位置の金銀が連携し、少ない手数で早い戦いに備えられます。

舟囲いと似ていますが、銀と金の位置が異なります。7九金が下段を守る一方、玉の上部は薄めなので、上からの攻めには玉を動かす受けも考えます。

居飛車で、美濃の形を左側に

左美濃

ひだりみの

8八玉を7八銀・6九金・5八金で支える形。

8八玉・7八銀・6九金を中心に、美濃囲いに似た連結を左側で作ります。図では5八金も加えています。居飛車のまま、振り飛車に対して使える囲いです。

左側には自分の角もいるため、角の移動と玉の経路を考える必要があります。8八玉は相手の角の筋に入りやすく、角交換後の打ち込みも確認します。

居飛車|対振り飛車の持久戦

天守閣美濃

てんしゅかくみの

8七玉・7八銀・6九金・5八金の形。

左美濃から8筋の歩を8六へ進め、玉を8七に上がった形です。7八銀・6九金・5八金を後ろに置き、8八にいる場合の角筋を避けます。

玉が上がった分、8筋や9筋から直接攻められると距離が近くなります。横からの攻めへの強さと、玉頭の守りを分けて考えましょう。

居飛車|左美濃から上部を厚く

居飛車銀冠

いびしゃぎんかんむり

8八玉・8七銀・7八金・6七金の形。

8八玉の上に8七銀を置き、7八金・6七金を寄せた形です。銀が冠のように玉の前に立ち、8六の歩を支えます。

組み替えの途中は銀や金の連結が一時的に切れます。相手の攻めが始まっているときは、完成形だけを目指して手を進めないようにします。

居飛車|対振り飛車の持久戦など

居飛車穴熊

いびしゃあなぐま

9九玉・8八銀・7九金・7八金の形。

香を9八へ上げ、玉を9九へ入れます。図は8八銀・7九金・7八金をつなげた三枚穴熊で、玉を金銀の後ろへ深く隠す形です。

8八銀が動くと玉への入口が開きます。堅さを生かして攻めたい囲いですが、組み上がるまでの速攻や端への攻めには備えが必要です。

居飛車|銀冠と穴熊を組み合わせる

銀冠穴熊

ぎんかんむりあなぐま

9九玉を8八金で囲い、8七銀で玉の前方と端を支える。

玉を9九へ入れ、8七銀・8八金・7八金で囲います。通常の居飛車穴熊では8八に銀がいますが、こちらは金を置き、8七の銀で8六や9六を支えます。

銀を8七へ上げる準備と、玉を穴熊へ入れる手数が必要です。組み替えの途中に相手が動けないかを確認し、銀や金の連結を崩さないようにします。

居飛車|桂を跳ねて、玉を8九へ

ミレニアム

みれにあむ

8九玉・8八銀・7九金・7八金・7七桂の形。

7七桂と跳ねて8九を空け、玉を潜らせる囲いです。図は8八銀・7九金・7八金で守る形で、トーチカとも呼ばれます。

9九玉の穴熊とは角筋の条件が異なります。桂を攻めに使える一方、7七の桂頭や、守りを左へ集めたあとの中央の薄さも見ておきます。

振り飛車の囲い

美濃の発展形、穴熊、相振り飛車で使う金無双・右矢倉。

振り飛車|金銀二枚で囲う基本形

片美濃囲い

かたみのがこい

2八玉・3八銀・4九金の形。

2八玉を3八銀・4九金の二枚で守ります。6九の金を囲いへ寄せていないため、本美濃より少ない手数で攻めの準備に移れます。

6九金を5八へ寄せれば、本美濃になります。手数を節約する代わりに、横からの攻めを受ける金が一枚少ないことを覚えておきましょう。

振り飛車の基本

美濃囲い

みのがこい

2八玉を、3八銀・4九金・5八金で守る。

飛車を左へ振り、玉は右の2八へ移します。3八銀・4九金・5八金が連なり、横から来る飛車の攻めを受けやすい形です。

1筋の端攻めや、玉の斜め前への角・桂の攻めは要注意。5八の金を省いた形は片美濃と呼ばれ、組む速さと守りの厚さが変わります。

振り飛車|銀を前へ使える美濃の仲間

木村美濃

きむらみの

3八は銀ではなく金。4七銀と3八金が互いに支える。

2八玉を3八金・4七銀で守る形です。通常の美濃囲いとは3八の駒が異なり、4七銀を5六などへ動かして攻めに参加させる余地があります。図では左金を6九に残しています。

4七銀と3八金は互いに支え合います。ただし、銀を前へ出すと金への利きが外れます。銀を働かせる際は、玉の守りが薄くなる点も確認します。

振り飛車|金銀四枚のつながりで守る

ダイヤモンド美濃

だいやもんどみの

3八銀・4七銀・4九金・5八金がひし形につながる。

美濃囲いの3八銀・4九金・5八金に、4七銀を加えた形です。二枚の金と二枚の銀がひし形につながり、4七銀からも3八銀と5八金を支えます。

金銀を四枚とも守りに使うため、攻めに回せる金銀が減ります。1筋や2筋の守りが増えるわけではないので、端や玉の前方への攻めも忘れずに見ます。

美濃囲いからの発展

高美濃囲い

たかみのがこい

5八の金を4七へ。4六の歩が道を開ける。

美濃囲いから4筋の歩を突き、5八の金を4七へ上げる形です。金を一段高くして、中央や上からの攻めに備えます。

上部が厚くなる一方、5八にいた金の守りはなくなります。美濃より常に堅いわけではなく、相手がどこから攻めてくるかで使い分けます。

振り飛車|高美濃からの発展

銀冠

ぎんかんむり

2八玉の前に2七銀。3八金・4七金が支える。

2筋の歩を突き、銀を2七へ進めて、3八と4七に金を置く形です。玉の前に銀が「冠」のように乗り、上からの攻めに対抗します。

銀の後ろが玉の逃げ道になることもあります。ただし、銀を動かす途中は金銀の連結が変わります。完成図だけでなく、組み替える余裕があるかを確かめます。

振り飛車|玉を1九へ入れる持久戦

振り飛車穴熊

ふりびしゃあなぐま

振り飛車穴熊の一例。1八香の奥に1九玉。

香を1八へ上げ、玉を1九へ入れます。図は2八銀・3九金・3八金で守る三枚穴熊です。居飛車穴熊と左右が逆で、飛車は玉から離れた左側にあります。

完成には手数がかかります。また逃げ道が狭いため、周囲の金銀をはがされると危険です。組み終わる前の攻めや端攻めにも気を配ります。

相振り飛車で使われる囲い

金無双

きんむそう

4八金・5八金を横に並べた、相振り飛車の金無双。

3八玉の左に4八金・5八金を横並びに置き、2八銀を添えます。相手も飛車を振っている相振り飛車で、上からの攻めに備える形です。

2八銀は端を守りますが、横から攻められたときには玉の逃げ道をふさぐこともあります。4七付近への攻めにも注意し、攻撃の方向に合わせて組み替えます。

振り飛車|相振り飛車の縦の攻めに

右矢倉

みぎやぐら

2八玉・3七銀・3八金・4七金の形。

2八玉の前を3七銀・3八金・4七金で固めます。相手の飛車が玉の正面から来る相振り飛車で、上部の厚みを重視する囲いです。

金無双から組み替える場合もあります。3六歩を突く前に4七金でその地点を守るなど、完成までの手順にも意味があります。