囲い
居飛車・振り飛車でよく使う34の囲いを集めました。玉の位置と金銀のつながりを比べて、自分の戦い方に合う形を見つけましょう。
居飛車の囲い
相居飛車の囲いと、振り飛車に対する急戦・持久戦の囲い。
金矢倉
きんやぐら
居飛車|相居飛車の代表的な囲い
8八玉の斜め前と横に7七銀・7八金を置き、さらに6七金を加えて上からの攻めに備える形です。金銀が前方を支えるので、相手の飛車先を受けながら駒組みを進められます。
8七の地点や端への攻め、横からの飛車・龍には注意が必要です。金銀のつながりを保ち、囲いの駒だけを先に動かさないようにします。
総矢倉
そうやぐら
居飛車|矢倉に右銀を加えて中央を支える
金矢倉の7七銀・7八金・6七金に、5七銀を加えた四枚矢倉の一種です。5七銀が6六の歩と6八を支え、中央からの攻めにも備えます。
右銀を囲いに使う分、攻めに回せる金銀は減ります。5七銀を4六や6六へ進めると守備範囲も変わるので、厚みを保つか、攻めに使うかを局面に応じて選びます。
銀矢倉
ぎんやぐら
居飛車|二枚の銀で前方を守る
7七銀・6七銀を並べ、7八金と8八玉を組み合わせた囲いです。金矢倉の6七金が銀に替わり、6七銀も7八金を支えます。角換わりなどから右銀を引き付けて組むこともあります。
銀は真横に利かないため、6七銀だけでは5七を守れません。また、銀を二枚とも囲いに使うので、攻めに回せる駒が足りるかも考えます。
片矢倉
かたやぐら
居飛車|角交換後の矢倉など
金矢倉の8八玉・7八金に対し、7八玉・6八金でとどめる形です。7七銀と6七金は同じで、玉と金の位置が違います。
6八金は5八や6九に利き、角の打ち込みに備えます。一方、8七を守る駒の数は金矢倉と違うため、同じ感覚で飛車先を受けないようにします。
菊水矢倉
きくすいやぐら
居飛車|桂を跳ねて、矢倉の玉を低く
しゃがみ矢倉とも呼ばれる囲いです。玉を8九、銀を8八に置き、桂を7七へ跳ねた矢倉の仲間です。6七金・7八金で前方を支えます。掲載したミレニアムと比べると、7九ではなく6七に金がいるのが違いです。
6七金は6六の歩を支えますが、玉の横の7九には金がいません。横や下からの侵入と、桂の頭にあたる7六への攻めに気を配ります。
カニ囲い
かにがこい
居飛車|矢倉へ組む途中にも
6九玉の前に6八銀、その左右に7八金・5八金を置きます。金銀を中央にまとめる、相居飛車の基本的な形です。
6八銀を7七へ進めると矢倉に発展できます。玉を一段目に置くため、飛車を打ち込まれる横の隙には注意します。
雁木囲い
がんぎがこい
居飛車|二枚銀で中央を支える
6七銀を軸に金銀を中央へつなげる囲いです。図は5七にも銀を置く二枚銀型で、玉を6九、金を7八と5八に配置しています。
右銀を4七に置くツノ銀型もあります。銀を攻めに使うと守りの配置も変わるので、囲いが完成したら固定する、という考え方だけでは使いこなせません。
右玉
みぎぎょく
居飛車|左右の守りと玉の広さを生かす
居飛車で玉を右側へ置き、2九飛の横の利きも受けに使う構えです。図は6七銀・4七銀を配置したツノ銀型の右玉の一例で、左右に金銀を分けて守ります。
金銀を一か所に集めた囲いほど玉の周囲は厚くありません。飛車の横の利きが途切れないか、玉が3八や中央へ移れるかを確認します。
中住まい
なかずまい
居飛車|相掛かり・横歩取り
玉を初形の5九から5八へ一つ上げ、左右の金銀とバランスを取る構えです。図は一例で、周りの金銀の配置は戦型によって変わります。
囲いを固める手数を攻めや駒の活用に回せますが、玉の前方は厚くありません。中央の歩を突かれたときや、角を打たれるすきに注意します。
中原囲い
なかはらがこい
居飛車|相掛かり・横歩取り
中原玉とも呼ばれる囲いです。6九玉を中心に、7八金・5九金・8八銀・4八銀を低く構える一例です。中住まいと違い、玉は一段目に置きます。
金銀を低く保つと、飛車を打つ隙を減らせます。金銀を攻めに動かすときは、その駒が守っていた打ち込み場所も確認します。
舟囲い
ふながこい
居飛車|対振り飛車の急戦の土台
玉を7八まで運び、7九の銀と6九・5八の金を近くに置く形です。比較的少ない手数で組めるため、早めに攻める急戦の土台になります。
ここから左美濃や穴熊へ組み替えることもできます。金銀を前へ出しすぎると玉が薄くなるので、攻め始めるタイミングとセットで考えます。
箱入り娘
はこいりむすめ
居飛車|対振り飛車の右銀急戦など
舟囲いの5八金を6八へ寄せ、7八玉に近づけた形です。7九銀・6九金に6八金が加わり、二枚の金が互いを支えて横からの攻めに備えます。
金を玉へ寄せる一方で、舟囲いの5八金が守っていた4八・4七への利きはなくなります。玉の上部も厚くはないため、金を寄せたら必ず安全になるわけではありません。
エルモ囲い
えるもがこい
居飛車|対振り飛車の急戦
7八玉の下に7九金、右隣に6八銀を置き、5九金をつなげる形です。低い位置の金銀が連携し、少ない手数で早い戦いに備えられます。
舟囲いと似ていますが、銀と金の位置が異なります。7九金が下段を守る一方、玉の上部は薄めなので、上からの攻めには玉を動かす受けも考えます。
居飛車金無双
いびしゃきんむそう
居飛車|対振り飛車の急戦
7八玉・7九銀に、6八金・5八金を横並びに添えます。掲載した舟囲いから6九金を6八へ上げた形です。7九銀を残しているので、8八で角交換になったときに銀で取り返す形を選べます。
箱入り娘より二枚の金を中央寄りに置き、右の銀や桂を攻めに使います。相振り飛車の金無双とは玉・銀の位置が違い、玉頭も厚くないため、7・8筋からの攻めには注意します。
左美濃
ひだりみの
居飛車|美濃の形を左側に組む
8八玉・7八銀・6九金を中心に、美濃囲いに似た連結を左側で作ります。図では5八金も加えています。居飛車のまま、振り飛車に対して使える囲いです。
左側には自分の角もいるため、角の移動と玉の経路を考える必要があります。8八玉は相手の角の筋に入りやすく、角交換後の打ち込みも確認します。
天守閣美濃
てんしゅかくみの
居飛車|対振り飛車の持久戦
左美濃から8筋の歩を8六へ進め、玉を8七へ上げて、8八を通る相手の角筋を避けます。7八銀・6九金・5八金はその後ろに残ります。
玉が上がった分、8筋や9筋から直接攻められると距離が近くなります。横からの攻めへの強さと、玉頭の守りを分けて考えましょう。
居飛車銀冠
いびしゃぎんかんむり
居飛車|左美濃から上部を厚く
8八玉の上に8七銀を置き、7八金・6七金を寄せた形です。銀が冠のように玉の前に立ち、8六の歩を支えます。
組み替えの途中は銀や金の連結が一時的に切れます。相手の攻めが始まっているときは、完成形だけを目指して手を進めないようにします。
居飛車穴熊
いびしゃあなぐま
居飛車|対振り飛車の持久戦など
香を9八へ上げ、玉を9九へ入れます。図は8八銀・7九金・7八金をつなげた三枚穴熊で、玉を金銀の後ろへ深く隠す形です。
8八銀が動くと玉への入口が開きます。堅さを生かして攻めたい囲いですが、組み上がるまでの速攻や端への攻めには備えが必要です。
松尾流穴熊
まつおりゅうあなぐま
居飛車|右銀を7九へ引き付ける四枚穴熊
9九玉・8八銀に、7九銀・7八金・6七金を組み合わせた形です。右銀を6八経由で7九へ引き付け、7八金や8八銀とつなげて守りを増やします。
金銀四枚を守りに使うので、攻めは飛車・角・桂などが中心になります。7九へ銀を運ぶ手数があるかを確かめ、完成前の仕掛けや端攻めにも備えます。
銀冠穴熊
ぎんかんむりあなぐま
居飛車|銀冠と穴熊を組み合わせる
玉を9九へ入れ、8七銀・8八金・7八金で囲います。通常の居飛車穴熊では8八に銀がいますが、こちらは金を置き、8七の銀で8六や9六を支えます。
銀を8七へ上げる準備と、玉を穴熊へ入れる手数が必要です。組み替えの途中に相手が動けないかを確認し、銀や金の連結を崩さないようにします。
ビッグ4
びっぐふぉー
居飛車|銀冠穴熊を金銀四枚で固める
9九玉の前を、8七銀・7七銀・8八金・7八金で固める四枚穴熊です。銀冠穴熊に7七銀を加えた配置で、二枚の銀が上部を、二枚の金がその後ろを支えます。
8七銀は9六の歩を支え、7七銀は6六・7六・8六を守ります。ただし、組む手数が多く、攻めに使う金銀も減ります。端や横から攻められても崩れない、という意味ではありません。
ミレニアム
みれにあむ
居飛車|桂を跳ねて、玉を8九へ
7七桂と跳ねて8九を空け、玉を潜らせる囲いです。図は8八銀・7九金・7八金で守る形で、トーチカとも呼ばれます。
玉を8九へ置くため、9九玉の居飛車穴熊と違い、相手の3三角から9九へ伸びる角筋を避けられます。桂を攻めに使える一方、7七桂の頭にあたる7六への攻めや、中央の薄さには注意します。
串カツ囲い
くしかつがこい
居飛車|角筋を避けて玉を9八へ
9八玉・9九香に、8八銀・7九金・7八金を添えます。居飛車穴熊と玉・香の位置が逆で、3三角から9九へ伸びる角筋を玉が外れる形です。
9筋からの攻めは玉に近く、玉の下にいる香も動きにくくなります。図のように7七が空いていれば、7七桂・8九玉という自分側の二手でミレニアムへ組み替えられますが、途中の相手の攻めも確認します。
振り飛車の囲い
美濃の仲間、穴熊・ミレニアム、相振り飛車で使う金無双・右矢倉。
片美濃囲い
かたみのがこい
振り飛車|金銀二枚で囲う基本形
2八玉を3八銀・4九金の二枚で守ります。6九の金を囲いへ寄せていないため、本美濃より少ない手数で攻めの準備に移れます。
6九金を5八へ寄せれば、本美濃になります。手数を節約する代わりに、横からの攻めを受ける金が一枚少ないことを覚えておきましょう。
美濃囲い
みのがこい
振り飛車|金銀三枚で囲う基本形
飛車を左へ振り、玉は右の2八へ移します。3八銀・4九金・5八金が連なり、横から来る飛車の攻めを受け止めやすい形です。片美濃と区別するときは、本美濃とも呼びます。
1筋の端攻めや、玉の斜め前への角・桂の攻めは要注意。5八の金を省いた形は片美濃と呼ばれ、組む速さと守りの厚さが変わります。
金美濃
きんみの
振り飛車|中飛車の対急戦など
2八玉を3八金・4八銀で守る、金銀二枚の美濃です。3八金が4八銀を支え、4八銀は5七にも利きます。中飛車で急戦を受けるときなどに使われます。
4筋の歩を突いて4八銀を4七へ上げると木村美濃になります。その場合、銀の利きが5七から5六へ移ります。組み替えは単純な強化ではなく、相手が狙う場所に合わせて選びます。
木村美濃
きむらみの
振り飛車|中央と玉の斜め前を守る
2八玉を3八金・4七銀で守る形です。4七銀が4六・3六・5六を支え、片美濃より玉の斜め前を狙うコビン攻めに備えやすくなります。3六歩から3七桂と桂を使えるのも特徴です。
4七銀と3八金は互いに支え合いますが、図では5七と4九に金銀の利きがありません。銀を前に出すと金への支えも外れるため、囲いの弱点を確かめてから動かします。
ダイヤモンド美濃
だいやもんどみの
振り飛車|金銀四枚のつながりで守る
美濃囲いの3八銀・4九金・5八金に、4七銀を加えた形です。二枚の金と二枚の銀がひし形につながり、4七銀からも3八銀と5八金を支えます。
金銀を四枚とも守りに使うため、攻めに回せる金銀が減ります。1筋や2筋の守りが増えるわけではないので、端や玉の前方への攻めも忘れずに見ます。
高美濃囲い
たかみのがこい
振り飛車|美濃から上部を厚く
美濃囲いから4筋の歩を突き、5八の金を4七へ上げる形です。金を一段高くして、中央や上からの攻めに備えます。
上部が厚くなる一方、5八にいた金の守りはなくなります。美濃より常に堅いわけではなく、相手がどこから攻めてくるかで使い分けます。
銀冠
ぎんかんむり
振り飛車|高美濃からの発展
2筋の歩を突き、銀を2七へ進めて、3八と4七に金を置く形です。玉の前に銀が「冠」のように乗り、上からの攻めに対抗します。
2七銀は1六・2六・3六を守ります。図では1七が空いており、相手の利きがなければ玉を端へ逃がす道にもなります。ただし、組み替えの途中は金銀の連結が変わるため、相手の仕掛けを確かめます。
振り飛車穴熊
ふりびしゃあなぐま
振り飛車|玉を1九へ入れる持久戦
香を1八へ上げ、玉を1九へ入れます。図は2八銀・3九金・3八金で守る三枚穴熊です。居飛車穴熊と左右が逆で、飛車は玉から離れた左側にあります。
完成には手数がかかります。また逃げ道が狭いため、周囲の金銀をはがされると危険です。組み終わる前の攻めや端攻めにも気を配ります。
振り飛車ミレニアム
ふりびしゃみれにあむ
振り飛車|居飛車穴熊などとの持久戦
3六歩・3七桂で2九を空け、玉を2九へ入れる囲いです。図は2八銀・3九金・4八金の三枚で支える四間飛車の一例です。1九玉の穴熊とは違い、1九の香を動かさずに玉を低く囲えます。
3七桂を攻めに使えますが、桂の頭の3六や端からの攻めに備える必要があります。さらに4八金を3八へ寄せる形もあり、手数に余裕があるかを見て守りを整えます。
金無双
きんむそう
振り飛車|相振り飛車の上からの攻めに
3八玉の左に4八金・5八金を横並びに置き、2八銀を添えます。相手も飛車を振っている相振り飛車で、上からの攻めに備える形です。
2八銀は端を守りますが、横から攻められたときには玉の逃げ道をふさぐこともあります。4七付近への攻めにも注意し、攻撃の方向に合わせて組み替えます。
右矢倉
みぎやぐら
振り飛車|相振り飛車の縦の攻めに
2八玉の前を3七銀・3八金・4七金で固めます。相手の飛車が玉の正面から来る相振り飛車で、上部の厚みを重視する囲いです。
金無双から組み替える場合もあります。3六歩を突く前に4七金でその地点を守るなど、完成までの手順にも意味があります。
図はすべて先手側から見た9×9の参考図です。囲いの駒と飛車の位置を示し、相手側などの駒は省略しています。分類は主な使われ方に基づき、左右を入れ替えて使う囲いもあります。