飯島流引き角

飯島流引き角は、居飛車側が角道を開けず、8八の角を7九へ引いて左美濃を組む対振り飛車戦法です。角の利きを2筋へ向ける一方、角交換を避けたまま囲いやすい点が特徴です。嬉野流のように左銀を主な攻め駒にする構想とは区別し、対四間飛車の2筋速攻と、向かい飛車へ転換された後の3筋の攻防を学びます。

飯島流引き角・早い2四歩への受け

10手目学習の開始局面
後手持ち駒
  • 持ち駒なし
先手持ち駒手番
  • 持ち駒なし
飯島流引き角・早い2四歩への受け△6二玉

6二玉には2二飛で応じる

後手が6二玉と上がった局面です。先手が囲いを後回しにして2四歩を急ぐと、後手は2二飛から2七歩を使えます。基本の5七角と比較する手順です。

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対振りの秘策 完全版 飯島流引き角戦法

飯島流引き角を詳しく学ぶ方に

対振りの秘策 完全版 飯島流引き角戦法

飯島栄治

マイナビ出版 ・ 2017年刊

創始者の2冊をまとめた文庫版。対四間飛車を含む引き角の駒組みと攻めを学べます。本の収録範囲は中飛車・向かい飛車などにも広がります。

飯島流引き角の解説

飯島流引き角は、居飛車側が角道を開けず、8八の角を7九へ引いて左美濃を組む対振り飛車戦法です。角の利きを2筋へ向ける一方、角交換を避けたまま囲いやすい点が特徴です。嬉野流のように左銀を主な攻め駒にする構想とは区別し、対四間飛車の2筋速攻と、向かい飛車へ転換された後の3筋の攻防を学びます。

飯島流引き角・7九角から左美濃へ

先手の飯島流引き角戦法を学びます。後手が四間飛車に振った4手目から、7八銀・7九角・5六歩で角を働かせ、7七歩を残した左美濃へ囲います。後手が向かい飛車へ転換する進行例です。

この手順を盤面で確認する
手順と一手ごとの解説

4手目の開始局面からの手順です。盤面では初形に戻して出だしも確認できます。

  1. ▲7八銀 — 角を引く場所を空ける

    7八銀で7九を空けます。この銀は攻めに進めず、左美濃の守りに使います。

  2. △7二銀 — 美濃囲いを準備する

    後手は7二銀と上がり、玉を8二へ運ぶ準備をします。

  3. ▲7九角 — 7九角と引く

    角を7九へ引きます。次に5六歩を突けば、6八・5七・4六・3五を通って2四へ利く角筋が開きます。

  4. △3三角 — 角で飛車先を守る

    3三角で2四を守ります。ただし、先手の引き角も2四に利くようになるため、角だけで歩交換を防げるとは限りません。

  5. ▲5六歩 — 引き角の利きを通す

    5六歩で角の道を開けました。2四歩・同歩・同角が狙いです。後手は飛車を2二へ回る受けと、居玉への王手を確かめます。

  6. △6二玉 — 王手になる角筋を避ける

    玉を6二へ動かします。2四歩・同歩・同角に2二飛と回ったとき、3三角成が王手にならない配置です。

  7. ▲5七角 — 角を上げて玉の道を空ける

    5七角で2四への利きを保ち、6八と7九を玉が通れるようにします。左銀を7八に残し、先手も美濃に囲うのが飯島流の狙いです。

  8. △2二飛 — 向かい飛車へ振り直す

    後手は2二飛で2筋を厚くし、四間飛車から向かい飛車へ転換します。4二が空くので、左銀を4二から5三へ運べます。ここからは互いに囲う進行例です。

  9. ▲6八玉 — 玉を左へ運ぶ

    6八玉と上がります。7九角を5七へ出したため、この先は7九・8八へ進めます。

  10. △7一玉 — 後手も囲いを進める

    7一玉と寄り、次の8二玉を用意します。飛車を2二へ移したので8二は空いています。

  11. ▲7九玉 — 7九へ寄る

    7九玉と寄ります。次に角のいた8八へ入り、7八銀で玉の右側を守ります。

  12. △8二玉 — 後手は美濃の玉形へ

    8二玉と入ります。7二銀と6一金が玉を支える美濃の形です。

  13. ▲8八玉 — 7七歩を残した左美濃

    8八玉と入城しました。7七歩を突いていないため、7七歩・7八銀・6九金で守る低い左美濃になります。

  14. △5二金左 — 金を囲いに加える

    後手は5二金左と寄ります。美濃囲いの金を連結し、中央の受けにも備えます。

  15. ▲5八金右 — 左美濃の金を連結する

    5八金右で6九金とつなげます。角道を開けず、左銀を7八に置いたまま囲える点を確認しましょう。

  16. △5四歩 — 銀の進路を空ける

    後手は5四歩で5三を空けます。飛車が2二にいるので、3一の銀を4二・5三へ運ぶ構想が使えます。

  17. ▲4八銀 — 攻めには右銀を使う

    3九の右銀を4八へ出します。守りの7八銀を残し、3七・4六へ右銀を進めて3筋の攻めを準備します。

  18. △4二銀 — 空いた4二から銀を使う

    4二銀と上がります。飛車を2二へ振り直した効果で、4三歩を動かさず銀を5三へ進められます。

  19. ▲3六歩 — 3七銀の通り道を作る

    3六歩で3七を空けました。3七銀から4六銀と進み、3五歩の仕掛けを狙います。

  20. △5三銀 — 中央で受ける銀を用意する

    5三銀と進みました。先手は3七銀・4六銀、後手は4四銀や6四銀が候補です。先手の左美濃が完成しても、攻めが無条件に成功するわけではありません。

    この変化の振り返り後手の四間飛車を相手にした出だしから、向かい飛車への転換までを扱いました。飯島流は他の振り飛車にも使われますが、この手順をそのまま当てはめず、相手の飛車と銀の配置を見て仕掛けを選びます。

飯島流引き角・3筋の銀交換と反撃

双方が囲い、後手は向かい飛車・5三銀型に構えています。先手が右銀を4六へ進めて3筋で銀交換する一例です。交換で得た銀を受けに打つところまで進め、後手の反撃も確認します。

この手順を盤面で確認する
手順と一手ごとの解説

24手目の開始局面からの手順です。盤面では初形に戻して出だしも確認できます。

  1. ▲3七銀 — 右銀を3七へ

    右銀を3七へ運びます。2六銀から2筋へ出る構想もありますが、この手順では4六銀から3筋を狙います。

  2. △4四銀 — 4四銀で3五を受ける

    後手の銀が4四へ出て、3五に利きを加えます。先手の銀が4六へ来たら、3五での銀交換と、その後の飛車の働きを比べます。

  3. ▲4六銀 — 銀を4六へ進める

    4六銀と進みました。3五歩・同歩・同銀を狙いますが、この銀が5七角の前に出たため、いまは角の2四への利きが止まっています。

  4. △4二角 — 角を引いて飛車の道を空ける

    4二角と引きます。3三が空くため、3筋の歩と銀が交換された後に3二飛と回れば、飛車の縦の利きが通ります。6四角から2八の飛車を狙う筋も生まれます。

  5. ▲3五歩 — 3筋から仕掛ける

    3五歩とぶつけます。ここでは後手が歩と銀の交換に応じる一例を並べ、交換後の反撃まで確認します。

  6. △同歩 — 歩を取って応じる

    後手は同歩と取ります。先手は4六銀で取り返せますが、その地点には後手の4四銀も利いています。

  7. ▲同銀 — 右銀で取り返す

    3五銀と歩を取りました。5七角の前が空き、次に銀を交換されても角で取り返せます。

  8. △同銀 — 銀を交換する

    後手も同銀と取ります。先手の5七角が4六を通って3五へ利いているので、銀損にはなりません。

  9. ▲同角 — 角で取り返す

    同角で銀を取り返しました。互いに銀と歩を持ち駒にした交換です。後手は3二飛で角を狙うことができ、先手だけが攻め続けられる形ではありません。

  10. △3二飛 — 飛車を3筋へ回す

    3二飛で3五角を狙います。3三と3四が空いているため、飛車の利きが角まで通りました。

  11. ▲5七角 — 角を戻して成り込みを防ぐ

    5七角と戻り、3九へ角を利かせます。これで3九飛成には角で取れますが、後手には6四角から飛車を狙う手が残っています。

  12. △6四角 — 角で2八飛を狙う

    6四角と出ました。5五・4六・3七を通る角筋で2八の飛車を狙い、先手に受けを求めます。

  13. ▲4六銀打 — 交換した銀を受けに使う

    持ち銀を4六へ打ち、角筋を遮ります。5七角がこの銀を守っています。攻めに使った銀を交換できても、持ち駒を受けに使う展開があります。

  14. △4四歩 — 歩で受けの銀に働きかける

    4四歩と突き、次の4五歩で4六銀を追う狙いです。銀交換の後は後手にも角・飛車・歩を使う反撃があり、先手は銀を追われたときの角筋と飛車の逃げ場所を考えます。

飯島流引き角・早い2四歩への受け

後手が6二玉と上がった局面です。先手が囲いを後回しにして2四歩を急ぐと、後手は2二飛から2七歩を使えます。基本の5七角と比較する手順です。

この手順を盤面で確認する
手順と一手ごとの解説

10手目の開始局面からの手順です。盤面では初形に戻して出だしも確認できます。

  1. ▲2四歩 — 囲う前に歩を交換する

    5七角で囲いを進める代わりに、2四歩と仕掛ける比較です。後手玉は6二へ移っているので、居玉の場合と同じ攻めが通るか確かめます。

  2. △同歩 — 2筋の歩を取る

    同歩と取ります。先手は7九角の長い利きを使い、2四へ角を進められます。

  3. ▲同角 — 引き角で歩を取る

    2四角と取り返しました。後手には2二飛と回る受けがあり、2筋を交換できたことだけで成功とは判断できません。

  4. △2二飛 — 2二飛で角の後ろを狙う

    2二飛と回ります。後手玉は6二なので、3三角成は王手になりません。先手が角を引けば、2筋の歩打ちも使えます。

  5. ▲5七角 — 角を引いて飛車を向かい合わせる

    5七角と引きました。飛車同士が向かい合いましたが、後手は交換に応じるだけでなく、2七へ歩を打って先手の飛車を追えます。

  6. △2七歩打 — 歩を打って飛車を追う

    2七歩打で2八飛を狙います。同飛なら2二飛で取られるので、先手は飛車を横へ動かす必要があります。

  7. ▲3八飛 — 飛車を横へ逃がす

    3八飛とかわしました。先手が2筋を急いで交換した結果、後手も持ち歩を使って飛車を動かせました。基本の5七角から左美濃へ囲う順との違いです。

飯島流引き角・6二玉型での大駒交換

2四歩・同歩・同角に後手が2二飛と回った局面です。先手が角を引かず3三角成と取る場合を比べます。6二玉には王手にならず、後手も飛車を取ってから角を取り返せます。

この手順を盤面で確認する
手順と一手ごとの解説

14手目の開始局面からの手順です。盤面では初形に戻して出だしも確認できます。

  1. ▲3三角成 — 玉が6二なら王手にならない

    3三角成で後手の角を取ります。ただし、馬の利きは6二玉へ届かないため、後手には飛車を取る余裕があります。

  2. △2八飛成 — 角を取り返す前に飛車を取る

    2八飛成で先手の飛車を取りました。王手されていないために選べる手です。先手は3九銀で龍を取り返せます。

  3. ▲同銀 — 銀で龍を取る

    同銀で龍を取り返します。先手の馬も3三に残っており、次に後手が桂で取るところまで交換全体を確認します。

  4. △3三桂 — 桂で馬を取り返す

    同桂で馬を取り、飛車と角の総交換になりました。双方が飛車・角・歩を一枚ずつ持ち、駒の損得はありません。後手玉が6二にいる効果で、一方的な飛車取りにはなりません。

飯島流引き角・居玉での2二飛に反撃

5六歩で引き角の利きが通った局面です。後手が玉を5一に残したまま、2筋の歩交換を2二飛で受ける失敗を並べます。3三角成の王手を利用し、先手が飛車打ちに先着する手順です。

この手順を盤面で確認する
手順と一手ごとの解説

9手目の開始局面からの手順です。盤面では初形に戻して出だしも確認できます。

  1. △5二金左 — 玉より先に金を動かす比較

    後手が6二玉を保留して5二金左と寄る比較です。玉は5一に残り、3三から4二・5一へ続く角筋に入っています。この違いが2二飛の受けに影響します。

  2. ▲2四歩 — 引き角を使って仕掛ける

    2四歩と仕掛けます。後手玉が5一にいるため、角交換を王手にする狙いがあります。

  3. △同歩 — 歩交換に応じる

    後手は同歩と取りました。先手は角で取り返し、飛車と角を2筋に利かせます。

  4. ▲同角 — 2四へ角を進める

    同角で取り返します。この局面で2二飛と回るのは失敗で、3三角成の王手を許します。玉を先に6二へ動かした手順と比べましょう。

  5. △2二飛 — 居玉のまま飛車を回す失敗

    2二飛と回りましたが、3三角成が王手になります。玉が6二にいる場合と違い、後手は2八飛成で飛車を取ることができません。

  6. ▲3三角成 — 角を取りながら王手する

    3三角成が王手です。4二の飛車が動いたため、馬から5一玉への角筋が通っています。後手は王手に応じなければなりません。

  7. △同桂 — 王手の馬を桂で取る

    同桂で王手を防ぎます。その間に先手は2二の飛車を取れるので、後手から2八飛成と指す順とは手番が変わります。

  8. ▲2二飛成 — 先に飛車を取って成る

    2二飛成と飛車を取ります。3一銀に龍を取られても、先手には手に入れた飛車を王手で打つ手があります。

  9. △同銀 — 銀で龍を取り返す

    同銀と取り返しました。3一と4一が空き、先手は2一飛と王手で打ち込めます。ここまでの大駒交換だけなら双方の損得はありません。

  10. ▲2一飛打 — 王手で飛車を打ち込む

    2一飛打が5一玉への王手です。同時に1一香を狙います。後手が6二へ玉を逃がす進行まで確認します。

  11. △6二玉 — 玉を逃がす

    6二玉と王手を避けます。この順では先手が飛車打ちに先着しているため、次に香を取って成れます。

  12. ▲1一飛成 — 香を取り、龍を残す

    1一飛成で香を取り、先手が香得して龍を作りました。居玉での2二飛が、王手を利用した先手の大駒交換と飛車打ちを許した結果です。