二歩:同じ筋に、自分の生の歩を2枚置かない
二歩は、同じ縦の列に自分の成っていない歩を2枚置くことです。相手の歩とは別に数えます。歩を打つ前には、その筋の奥まで見て、自分の歩が残っていないかを確かめます。
一つ目の図では5五に歩があるため、5三へ歩を打てません。二つ目の図の5五はと金なので、歩としては数えず、5三へ打てます。
5五に歩がある場合
5五がと金の場合
プロの実例:NHK杯でも起きた二歩。 2015年3月8日放送の第64回NHK杯テレビ将棋トーナメント準決勝・第2局、行方尚史八段―橋本崇載八段戦で、後手の橋本八段が92手目に△6三歩と打ち、二歩で反則負けになりました。6七に自分の歩が残っていたためです。段位は対局当時のものです。
6三と6七は離れていても、同じ6筋です。二歩で確認するのは、打つ場所のすぐ近くだけではありません。持ち歩を使う前に、その筋を端から端まで見る意味が、この一例からも分かります。上の二つの図はルール説明用で、この対局の再現図ではありません。
打ち歩詰めは反則。盤上の歩で詰ます手は指せる
持ち駒の歩を打ち、その歩の王手で相手玉を詰ませるのが打ち歩詰めです。歩を打って王手するだけなら反則ではなく、相手に王手を解く手が一つでもあれば指せます。
対して、盤上の歩を進めて詰ます手は「突き歩詰め」と呼ばれ、打ち歩詰めの禁止には当たりません。下の2図は、1二へ来る歩が持ち駒か、盤上の駒かという違いです。
持ち駒の歩を1二へ打つ
1三の歩を1二へ進める
どちらも、1二の歩は2三銀に守られます。1一玉は歩を取れず、2二も銀の利き、2一は自分の香でふさがっています。結果の形が同じでも、そこへ至る手によって反則かどうかが変わります。
この禁止は歩を打って詰ます場合のものです。ほかの条件に違反しなければ、金や銀などを打って詰ましても反則ではありません。
歩・香・桂は、動けなくなる場所に打てない
成っていない歩・香・桂には、前へ進めなくなる端があります。その場所へ打ったり、不成のまま進めたりすることはできません。盤上から進む場合は、成れば指せます。
| 駒 | 先手/後手の禁止される場所 |
|---|---|
| 歩・香 | 先手:一段目 後手:九段目 |
| 桂 | 先手:一・二段目 後手:八・九段目 |
「持ち駒を敵陣へ打つときに、裏返して置けばよい」ということもありません。持ち駒は成っていない状態で打つ決まりです。
参照:[2]
王手は必ず解く。声に出す必要はない
王手をかけられたら、次の手で必ず解かなければなりません。相手の飛車を取る手が見えていても、自分の玉への王手が残れば反則です。玉を相手の利きへ動かす手や、守りの駒をどかして自玉に王手をかける手も指せません。
玉を逃がす、王手の駒を取る、離れた王手の間をふさぐ、という方法を調べます。どれもできなければ詰みです。一方、王手をかける側に「王手」と発声する義務はありません。言われなかったことを理由に放置はできません。
- 王手と詰みを短い図で確認
王手を解く三つの方法から、詰みの見分け方へ。
手番・待った・時間にも決まりがある
将棋は交互に一手ずつ指します。相手の手を待たずにもう一手指す「二手指し」や、対局開始時に先後を間違える行為も反則です。
動かした駒から手を離すと着手は完了です。時計をまだ押していなくても、その手を取り消せば「待った」になります。時計を使う対局では、持ち時間や秒読みの時間内に指し終える必要があり、駒から手を離す前に時計を押すこともできません。
王手を繰り返して同じ局面に戻す場合には、「連続王手の千日手」という別の反則もあります。単に何度も王手しただけで反則になるわけではないため、局面の数え方と合わせて確認してください。
プロの実例:後手が、最初に指してしまった。 2022年12月22日のB級1組順位戦、近藤誠也七段―千田翔太七段戦では、後手の千田七段が先に飛車先の歩を突き、開始直後に反則負けとなりました。本人は先手だと思い込んでいたと説明しています。こちらも段位は当時です。
これは、交互に指している途中でもう一手指す「二手指し」ではなく、開始時の先後誤りです。難しい読み合いに入る前にも、対局の決まりは働いています。盤を並べたら、まず自分が先手か後手かを確かめてから始めましょう。
- 千日手と連続王手の違い
同じ局面の条件と4回の数え方を、図で読む。
- 駒の動かし方・成り方
迷った駒の動きや、成れる条件を確認する。