実戦との違いは「毎回、王手をかける」

詰将棋は、攻め方が王手を続け、玉方がどう応じても最後は詰む手順を探す問題です。実戦なら王手をかけずに逃げ道をふさぐ手もありますが、詰将棋の攻め方は毎回王手をかけます。

攻め方は図の駒と指定された持ち駒を使います。玉方は、盤上にも攻め方の持ち駒にもない残りの駒を、玉を除いて持っているものとします。「図に持ち駒が書かれていないから、合駒はできない」とは考えません。

  • 玉方は、詰まない応手があればそれを選び、どの応手でも詰むなら最も長く抵抗する。
  • 二歩や打ち歩詰めなど、通常の将棋の反則は詰将棋でも使えない。
  • 取られるだけで詰みを先へ延ばす効果のない合駒は「無駄合い」として扱う。今回の2図には合駒の余地がない。

参照:[1]

詰みかどうかは、三つの逃れ方を調べる

詰みは、単に玉が動けない状態ではありません。王手がかかり、それを解く手が一つもない状態です。王手を見つけたら、次の三つを順に調べます。

  • 玉が別のマスへ逃げられないか。
  • 玉やほかの駒で、王手をかけた駒を取れないか。
  • 飛車・角・香などの離れた王手なら、間に駒を入れて防げないか。竜・馬の離れた利きにも合駒できる場合がある。

玉の隣からの王手には、間のマスがないので合駒できません。桂馬の王手にも合駒はできず、玉を逃がすか桂馬を取る必要があります。

参照:[2]

1手詰:金を置く場所と、銀の支え

先手番で、持ち駒は金1枚。1一玉を詰ませるには、金で王手をかけるだけでなく、その金を玉に取られない場所を選びます。

1一玉を1手で詰ます

後手の持ち駒飛2角2金3銀3桂4香4歩18
先手の持ち駒金1先手番
先手番。3三銀が2二を支えています。後手の持ち駒は残り全部です。

答えは▲2二金。金は1一玉へ王手をかけながら、1二と2一も押さえます。玉が2二の金を取ろうとしても、3三銀の利きがあるので取れません。

王手は隣からなので合駒もできません。逃げる、取る、間に置くの三つがすべてできず、これで詰みです。金だけで考えず、銀との協力を見るのがポイントです。

参照:[2]

3手詰:玉を動かしてから、とどめの金

3手詰は、攻め方が3回指すという意味ではありません。先手の王手、後手の応手、先手の詰ます手の合計3手です。次の図では、持ち金をどこへ使うかを考えます。

持ち金から始める3手詰

後手の持ち駒飛2角1金2銀4桂3香4歩17
先手の持ち駒金1先手番
先手番。先手は3三桂・3四金・4五角、持ち駒は金。1三には後手の歩があります。

▲2一金 △1二玉 ▲2三金まで

後手の持ち駒飛2角1金2銀4桂3香4歩17
先手の持ち駒なし後手番
最終図。2三金は4五角に守られ、2一金と協力して玉の逃げ道をふさぎます。
3手の意味
手順この手で変わること
▲2一金持ち金を打って王手。3三桂が金を支えているため、玉は取れない
△1二玉唯一の応手。2二は2一金の利きがあり、逃げられない
▲2三金3四の金を進める。空いた3四を通して4五角が金を支え、詰み

最後は1一・2二を2一金が、1三を2三金が押さえています。2三金は角に守られているので玉では取れず、後手の1三歩にも王手を解く手はありません。

最初から▲2二金と打っても、そこには先手の支えがなく、△同玉で取られます。先に2一へ金を置いて玉を動かすと、盤上の金と角が働く形になるのです。

参照:[1][2]

解いたあとは、最後の図をもう一度

答えを見て分かったつもりでも、金を玉で取れない理由が抜けていることがあります。最後の図に戻り、玉の周りを1マスずつ指して「ここはどの駒が守っているか」を説明してみましょう。

慣れるまでは短い問題を使い、王手、玉の応手、詰みの順に確かめるのがおすすめです。実戦では自分の玉への王手や相手の反撃もありますが、逃げ方を漏らさず調べる習慣はそのまま役立ちます。