二歩突っ切り

二歩突っ切りは、二枚落ちの下手が3筋と4筋の歩を伸ばし、二つの位を攻めの足場にする定跡です。「二歩」は反則の二歩ではなく、二つの筋の歩を使うことを指します。銀多伝より歩の進出を前面に出し、飛車と銀の支え、4四歩・5五歩で角道を開く手を組み合わせます。

2二銀を省いて歩を取ると

14手目学習の開始局面
上手持ち駒手番
  • 持ち駒なし
下手持ち駒
  • 持ち駒なし
2二銀を省いて歩を取ると▲3五歩

2二銀を省いて歩を取ると

3五歩まで伸ばした直後の比較です。上手が2二銀を省いて7四歩と指し、3四歩を取るとどうなるかを確認します。途中で2二銀と受ける選択肢もあり、7四歩だけで香損が確定するわけではありません。

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【新装版】駒落ち定跡

駒落ちを体系的に学ぶ方に

【新装版】駒落ち定跡

所司和晴

マイナビ出版 ・ 2023年刊

八枚落ちから香落ちまで、下手の狙いと上手の応手をまとめた定跡書。二枚落ちや飛車落ちなどを引き比べて学べます。内容は2000年・2010年版と同じです。

二歩突っ切りの解説

二歩突っ切りは、二枚落ちの下手が3筋と4筋の歩を伸ばし、二つの位を攻めの足場にする定跡です。「二歩」は反則の二歩ではなく、二つの筋の歩を使うことを指します。銀多伝より歩の進出を前面に出し、飛車と銀の支え、4四歩・5五歩で角道を開く手を組み合わせます。

二歩突っ切り・4四歩の仕掛け

3五・4五に二つの位を取った局面です。上手の2二銀に対して飛車を3八へ回り、3筋の歩を交換します。玉を囲い、銀と桂を進めてから、3五銀・4四歩の仕掛けへ進みましょう。

この手順を盤面で確認する
手順と一手ごとの解説

14手目の開始局面からの手順です。盤面では初形に戻して出だしも確認できます。

  1. △2二銀 — 銀で香を守る

    2二銀が1一香を守ります。今は3三歩も角筋を遮っていますが、3筋の歩を交換した後も香を取られない備えです。下手は攻めの形を整えます。

  2. ▲3八飛 — 飛車を3筋へ

    二歩突っ切りでは飛車を3八へ回します。3筋の歩を交換し、銀・桂とともに中央へ働かせる構想です。

  3. △7四歩 — 7筋の反撃を用意

    上手は7四歩で7三を空けます。下手は先に3筋の歩を交換します。

  4. ▲3四歩 — 3筋を交換する

    3四歩で飛車先の歩をぶつけます。2二銀がいるので、取られても角で香を狙う形ではありません。

  5. △同歩 — 上手が歩を取る

    3三歩が3四へ進みました。下手は飛車で取り返し、一歩を持ち駒にします。

  6. ▲同飛 — 飛車で歩を回収

    3四飛で歩交換を終えました。飛車が上手陣に近づき、3筋に歩を打てるようになりました。

  7. △3三歩打 — 3三歩で飛車を止める

    上手は3三へ歩を打ちました。下手は後の桂の活用を考えた場所へ引きます。

  8. ▲3六飛 — 飛車を六段目へ引く

    3六飛なら2九桂を3七へ跳ねても飛車の前をふさぎません。飛車の横利きも使えます。

  9. △6二金 — 金を6二へ

    上手は右金を中央へ上げます。下手は右桂を活用し、囲いを整えます。

  10. ▲3七桂 — 桂を3七へ

    3七桂が4五歩を支え、4五へ跳ねる攻めにも使えます。飛車を3六へ引いた意味が表れます。

  11. △7三金 — 金を7三へ

    上手は7三金から6四金を用意します。下手は玉の左側を守ります。

  12. ▲7八金 — 左金を7八へ

    7八金で角の周囲を支えます。上手の7筋攻めへの備えを先に作ります。

  13. △6五歩 — 上手が6筋を伸ばす

    6五歩で中央の圧力を強めます。下手は玉を6九へ寄せて居玉を避けます。

  14. ▲6九玉 — 玉を6九へ

    右の飛車と距離を取り、左の金銀へ玉を寄せます。守りを作ってから銀を前に出します。

  15. △6四金 — 中央に守りの金

    6四金は5五・7五を守ります。下手の攻めは、5三銀やこの金を交換するのが目標です。

  16. ▲5八金 — 右金も守備へ

    5八金で玉の右側を守ります。6八銀と7八金がそろうと、横に金銀金が並びます。

  17. △7三桂 — 上手桂を7三へ

    7三桂が6五・8五に利きます。桂の頭の7四は、後に下手が狙う地点になります。

  18. ▲6八銀 — カニ囲いを作る

    6八銀を5八金・7八金で挟み、玉を守ります。攻めの右銀と守備の左銀の役割を分けました。

  19. △7五歩 — 上手が7筋を交換

    7五歩で歩交換を求めています。取った後の金の進出には、歩を打って追い返します。

  20. ▲同歩 — 歩を取って受ける

    7六歩で取りました。上手に金で取られても、一歩を持ち駒にしています。

  21. △同金 — 金が7五へ出る

    上手の金が歩を回収しました。下手は金を近づけたままにせず、7六歩で当てます。

  22. ▲7六歩打 — 歩を打って金を追う

    7六歩は次の7五歩を狙います。金を後ろへ戻し、自陣への圧力を弱めます。

  23. △7四金 — 上手金が7四へ

    金が退きました。下手は角の活用場所と玉の逃げ道を用意します。

  24. ▲9六歩 — 9七を空ける

    9六歩で角を9七へ使う余地を作ります。左へ逃げる場合の玉の通り道にもなります。

  25. △9四歩 — 端歩を受ける

    上手が9四歩と突きました。下手は右銀を4六へ進め、仕掛けの準備をします。

  26. ▲4六銀 — 攻めの銀を前へ

    4六銀から3五銀・4四歩と攻めるのが従来の基本です。5五歩から金へぶつける分岐もあります。

  27. △6四金 — 金が中央へ戻る

    6四金に戻りました。下手は中央の歩も一つ進め、攻めの選択肢を増やします。

  28. ▲5六歩 — 5筋の歩も用意

    5六歩で5五へ出る準備をしました。ここから銀を3五へ進める攻めと、5五歩の攻めを比較します。

  29. △8四歩 — 上手は8筋を伸ばす

    上手が8四歩と突きました。ここが二つの仕掛けを選ぶ分岐点です。

  30. ▲3五銀 — 銀を3五へ運ぶ

    3五銀で4四を狙います。4五の歩を交換し、銀同士をぶつける準備です。

  31. △8五歩 — 上手が8五歩

    左辺からの反撃を用意します。下手は4筋で交換を始めます。

  32. ▲4四歩 — 4筋から仕掛ける

    4四歩で上手の歩を動かします。3五銀と8八角が4四を狙っている形を確認します。

  33. △同歩 — 上手が4四歩を取る

    4三歩が4四へ進みました。下手は銀で取り返し、5三銀にぶつけます。

  34. ▲同銀 — 銀を交換に出す

    4四銀で歩を取りました。5三銀との交換後には、角が4四へ出られます。

  35. △同銀 — 上手も銀を取る

    5三銀が4四へ出て下手の銀を取りました。下手は角で取り返します。

  36. ▲同角 — 角を中央へ使う

    4四角で銀交換を終えました。互いに銀を持ち、下手の角が中央に出ています。

  37. △5三銀打 — 銀を打って角を追う

    上手が5三銀を打ちました。角に当てながら6四金も守る受けです。

  38. ▲2六角 — 角を2六へ引く

    2六角は3五・4四・5三・6二へ利きます。銀を持ち駒から使い、上手の金銀へ働きかけます。

  39. △4三歩打 — 4筋を補強する

    4三歩を打って4四の地点を押さえます。下手は持ち駒の銀を使い、6四金へ働きかけます。

  40. ▲7五銀打 — 銀を打って金を狙う

    7五銀が6四金を狙います。3筋の歩交換で飛車を働かせ、4筋の銀交換で角を出した成果です。続きは金を取る攻めや玉の逃げ道を見ながら指し、相手玉をすぐ詰ませられるとは考えません。

二歩突っ切り・5五歩の提案

基本形と同じ局面から5五歩を選ぶ比較です。遠山雄亮棋士が2026年に紹介した攻めで、6四金との交換と角の活用を目指します。従来形を否定する唯一の手順ではなく、仕掛けの選択肢として扱います。

この手順を盤面で確認する
手順と一手ごとの解説

43手目の開始局面からの手順です。盤面では初形に戻して出だしも確認できます。

  1. ▲5五歩 — 5筋から仕掛ける提案

    4六銀を3五へ出す代わりに5五歩。遠山雄亮棋士が2026年に紹介した構想で、6四の守備金との交換を狙います。

  2. △同歩 — 5五歩を取らせる

    上手が歩を取る変化です。下手は4六銀で取り返し、6四金へ当てます。

  3. ▲同銀 — 銀を金へぶつける

    5五銀で歩を取ります。4筋の銀交換とは違い、上手の中央の金を目標にした攻めです。

  4. △同金 — 金で銀を取る

    上手の金が5五へ出ました。下手は角で取り返し、金を持ち駒にします。

  5. ▲同角 — 角で守備金を取る

    銀を渡して金を得ました。角が中央へ出て、上手玉の周辺を狙えるようになります。

  6. △6四銀打 — 銀を打って角を追う

    上手は6四銀打で5五角に当てます。持ち駒の銀を使わせたうえで角を働かせます。

  7. ▲4六角 — 角を4六へ引く

    4六角は5五を通って6四銀・7三桂の方向を見ます。7四の桂頭を狙う準備です。

  8. △5五歩打 — 歩で角道を止める

    5五歩で4六角の利きを遮られました。下手は7筋の歩を使い、守りの銀を動かします。

  9. ▲7五歩 — 7五歩で銀を誘う

    7六歩を7五へ進めます。6四の銀が取ると、上手玉の前に別の弱点ができます。

  10. △同銀 — 銀が7五へ出る

    打った銀が歩を取りました。下手は持ち駒の歩を5四へ打ち、5三銀を動かします。

  11. ▲5四歩打 — 歩を打って守備を動かす

    5四歩が5三銀を狙います。取る駒でその後が変わり、この教材では銀で取る応手を確認します。

  12. △同銀 — 5三銀が歩を取る

    銀が5四へ出て、5三が空きました。次に角を3五へ動かすと、4四・5三を通って6二へ角筋を通せます。

  13. ▲3五角 — 角を成り込みの方向へ

    3五角が4四・5三・6二を見ています。5筋の交換から守りの銀を動かし、角の活用へつなげました。持ち駒の金もありますが、上手玉の逃げ道を確かめながら攻めを続けます。

2二銀を省いて歩を取ると

3五歩まで伸ばした直後の比較です。上手が2二銀を省いて7四歩と指し、3四歩を取るとどうなるかを確認します。途中で2二銀と受ける選択肢もあり、7四歩だけで香損が確定するわけではありません。

この手順を盤面で確認する
手順と一手ごとの解説

14手目の開始局面からの手順です。盤面では初形に戻して出だしも確認できます。

  1. △7四歩 — 2二銀を省く場合

    上手が2二銀を指さず7四歩と突いた比較です。8八角から1一香までの角筋に注目します。

  2. ▲3四歩 — 歩を動かして角筋を開く

    3四歩を突くと、上手が歩で取ったとき3三が空きます。上手にはここで2二銀と受ける選択肢もあります。

  3. △同歩 — 角筋を開けてしまう

    △同歩は、1一香を角に取らせる応手です。2二に銀がいないため、基本形と同じ感覚で歩を取れません。

  4. ▲1一角成 — 香を取って馬を作る

    1一角成で香を取りました。これは△同歩と取った場合の結果です。上手が2二銀と受けた場合まで、無条件に香が取れるわけではありません。