▲7六歩は「先手が7六へ歩を動かす」

▲は先手、△は後手です。続く数字は移動先を表し、筋(縦の列)→段(横の列)の順に読みます。先手から見て右端が1筋、左端が9筋。向こう側から一段、二段と数え、手前が九段です。

▲7六歩なら、先手の歩が7六へ進みます。初形では7七の歩を一つ前へ動かす手です。後手の手でも座標の数え方は変わりません。△3四歩なら、3三の歩を3四へ進めます。

数字は移動先を示す

初形の歩だけを抜き出した図。▲7六歩と△3四歩の移動を矢印で示しています。

読みものでは「7六」のように筋を算用数字、段を漢数字で書くのが一般的です。棋譜ファイルや画面によっては「76」のように両方を数字で表示します。

参照:[1]

「同」は、直前と同じマスへ

「同」は、直前の手と同じマスへ動くという意味です。次の3手では、歩を交換したあと、飛車が2四へ進みます。2手目以降の移動先も2四なので、座標を繰り返さず「同」と書きます。

▲2四歩を指す前

後手の持ち駒なし
先手の持ち駒なし先手番
先手の2五歩と後手の2三歩。先手の飛車は2八にいます。
▲2四歩 △同歩 ▲同飛を読む
棋譜盤上で起きること
▲2四歩先手の歩が2五から2四へ進む
△同歩後手の歩が2三から2四へ進み、先手の歩を取る
▲同飛先手の飛車が2八から2四へ進み、後手の歩を取る

「同」だけでは、どの駒が動いたかは分かりません。後ろの「歩」「飛」まで読み、直前の着地点と組み合わせて確かめます。

参照:[1]

右・左は「その手を指す側」から見る

同じ種類の駒が2枚以上、同じマスへ動けるときは、どの駒かを区別します。下の先手の図では、4九金も6九金も5八へ動けます。右側の4九金なら▲5八金右、左側の6九金なら▲5八金左です。

気をつけたいのが後手。座標は先手側からの数え方のまま、右・左は後手自身から見ます。後手の図では、先手から見て左にある6一金が「右」です。

先手の「右」は4九金

4九金を動かせば▲5八金右、6九金なら▲5八金左。

後手の「右」は6一金

6一金を動かせば△5二金右、4一金なら△5二金左。

参照:[1]

上・引・寄・直は、動き方で区別する

右・左だけでなく、駒がどう動くかを表す文字もあります。こちらも指す側の向きで考えます。たとえば「銀引」は、自分側へ下がった銀です。

駒の動きを補う文字
表記意味
上(あがる)相手側へ進む
引(ひく)自分側へ下がる
寄(よる)同じ段を横へ動く
直(すぐ)金・銀などで、真後ろのマスからまっすぐ進む駒を区別する

複数の駒が動けるときは、まず上・引・寄で区別できるかを考え、それだけでは足りない場合に右・左を使います。「右上」のように組み合わせる場合もあります。棋譜を読むときは、文字の条件を満たす駒を一つずつ探せば大丈夫です。

参照:[1]

「打」は持ち駒。ただし省略されることも

▲3五銀打の「打」は、持ち駒の銀を置いたことを表します。日本将棋連盟の表記方法では、盤上の同種の駒も同じマスへ動けるときに付けます。下の図は4六銀も3五へ動けるため、持ち銀を使うなら「打」が必要です。

一方、この図で持ち銀を6六へ打つ手は、盤上の4六銀からは動けないので、▲6六銀と書くだけで区別できます。「打」がないから盤上の駒とは限りません。

盤上の銀か、持ち銀か

後手の持ち駒なし
先手の持ち駒銀1先手番
3五は盤上の4六銀も動けるマス。6六へ置けるのは持ち銀だけです。

教材やアプリでは、持ち駒を使ったと分かりやすくするため、毎回「打」を表示することもあります。当サイトの学習盤でも、この表示を使います。

参照:[1]

成・不成は、その手で成ったかどうか

「成」はその手で成ったことを表します。「不成」は、成れる移動であえて成らなかったこと。たとえば先手の3四銀を2三へ進めるなら、▲2三銀成と▲2三銀不成の両方が可能です。

一度成ったあとの駒は、次から成銀・と・馬・龍などの名前で書きます。「龍」と「竜」は同じ駒です。成れない場所での移動には、不成を付けません。

実際の棋譜では、まず移動先、次に駒、最後に補足の文字という順で読むと迷いにくくなります。短い手順を盤で再生し、文字と動きを結びつけてみてください。

参照:[1][2]

最後の「投了」――まだ詰んでいないのに、なぜ終わる?

棋譜を最後まで再生しても、玉に逃げ道が残っていたり、王手すらかかっていなかったりすることがあります。そこで見るのが投了(とうりょう)です。対局者が自分の負けを認めて対局を終えることで、実際に詰んだ形まで指す必要はありません。

その先に受けのない詰みが見えている場合もあれば、すぐには詰まなくても、駒の損や攻めの差が大きく、勝ち目がないと判断する場合もあります。「投了」と書かれた局面が、必ず数手で詰むとは限らないのです。

棋譜を並べていて最後だけ分からなかったら、解説にある「以下は〜」の手順を盤で追ってみましょう。詰みがあるのか、駒が大きく失われるのか。その続きを見ると、途中では意味の分からなかった一手まで、つながって見えることがあります。

参照:[3]