現代相掛かり

ここで扱う現代相掛かりは、飛車先の歩をすぐ交換せず、玉・銀・桂の配置を見てから交換する指し方です。歩交換で得る持ち歩と浮き飛車の横利きを組み合わせ、8筋への垂れ歩や横歩取りを狙います。単一の決まった囲いを指す名称ではなく、歩を交換する時機と飛車の高さが判断の軸になります。

現代相掛かり・8六の垂れ歩を受ける

19手目学習の開始局面
後手持ち駒手番
  • 歩1
先手持ち駒
  • 歩1
現代相掛かり・8六の垂れ歩を受ける▲7六歩

8七歩を省いた後の受け

8七へ歩を打たずに組んだ局面で、後手が8六へ歩を垂らした場合です。8四飛に角を当ててから、8八に歩を打って侵入を止めます。

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相掛かりの基本と飛車先保留を学ぶ

相掛かりの新常識

中座真

マイナビ出版 ・ 2018年刊

従来の相掛かりから、飛車先の歩交換を急がない指し方へと理解をつなげます。▲5八玉型・▲6八玉型の違いを知り、自分の指したい形を探す入口に。

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ひねり飛車を使ってみたい方へ

現代相掛かりの切り札 明日斗流ひねり飛車戦法

斎藤明日斗

マイナビ出版 ・ 2023年刊

相掛かりから玉を囲い、飛車を大きく転回するひねり飛車を学びます。基本の駒組みと相手の対策を押さえ、攻めの方針を持って指したい方に。

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▲5八玉型を得意にしたい方へ

本田奎の相掛かり研究

本田奎

マイナビ出版 ・ 2020年刊

▲5八玉型を軸に、後手の玉・飛車の配置に応じた指し方を詳しく検討。相掛かりをすでに指していて、基本形からの研究をもう一段深めたい方に。

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▲6八玉型の攻めを学びたい方へ

相掛かり▲6八玉型 徹底ガイド

飯島栄治

マイナビ出版 ・ 2019年刊

飛車先を保留する意味から、▲6八玉型の駒組みと仕掛けまでを追います。▲5八玉型と比べて、より積極的に動く選択肢を持ちたい相掛かり党に。

現代相掛かりの解説

ここで扱う現代相掛かりは、飛車先の歩をすぐ交換せず、玉・銀・桂の配置を見てから交換する指し方です。歩交換で得る持ち歩と浮き飛車の横利きを組み合わせ、8筋への垂れ歩や横歩取りを狙います。単一の決まった囲いを指す名称ではなく、歩を交換する時機と飛車の高さが判断の軸になります。

歩交換を保留する形

歩交換を保留し、▲3八銀とした局面です。銀・端歩・桂を使う進め方から、後手が先に8筋を交換する一例を比べます。

この手順を盤面で確認する
手順と一手ごとの解説

7手目の開始局面からの手順です。盤面では初形に戻して出だしも確認できます。

  1. △7二銀 — 後手も銀を上げる

    後手も右銀を7二へ。飛車先をすぐ交換する以外にも、銀や玉の配置を整える手があります。

  2. ▲9六歩 — 9七に逃げ道を用意する

    9筋の歩を進め、9七を空けます。後で8筋から角を狙われたとき、8八の角を9七へ動かせる形です。

  3. △1四歩 — 後手は端歩を突く

    この教材では△1四歩と応じる進行を扱います。相掛かりには、このほかにも玉や歩を動かす組み方があります。

  4. ▲3六歩 — 桂を使う準備

    3七を空けて、2九の桂を3七へ跳ねる準備をします。3六の歩が相手の飛車から狙われる筋にも注意します。

  5. △8六歩 — 後手から歩を交換する

    後手が先に飛車先の歩をぶつけます。先手は2筋の歩を2五に残したまま対応します。

  6. ▲同歩 — 8七を空ける

    8七歩で取り返しました。先に9六歩を突いてあるので、次に9七角と出て後手の飛車をにらめます。

  7. △同飛 — 後手の飛車が六段目へ

    8六の飛車から3六の歩まで、横の道が通っています。先手が8七に歩を打つかどうかも、この局面の選択です。

  8. ▲5八玉 — 歩を打たず、玉を上げる

    この進行では▲8七歩打を待ち、玉を5八へ動かします。ここから後手の△5二玉と△3六飛で、学ぶ手順が分かれます。

  9. △5二玉 — 後手も玉を動かす

    後手が玉を5二へ上げます。先手は3六の歩を残して、用意していた桂の活用を進めます。

  10. ▲3七桂 — 歩で空けた場所へ桂を跳ねる

    2九の桂が3七へ出ます。2五と4五に利き、飛車や銀とは違う角度から前方を支えます。

  11. △8四飛 — 後手の飛車が四段目へ

    後手が飛車を8四に引きました。先手の飛車は2八のまま、2筋の歩も交換前です。

  12. ▲7六歩 — 角も戦いに参加させる

    角道を開けます。この教材は△8四飛型で8七に歩を打たずに組む一例です。後手の飛車が8二の形とは受け方が変わります。

  13. △9四歩 — 端歩で様子を見る

    後手は9四歩とします。先手は飛車先の交換をまだ保留しており、相手の形を見て引き場所を決められます。

  14. ▲1六歩 — 先手も端を突く

    1六歩を入れ、後手の次の手を見ます。ここでは双方が端歩を突いたあと、角道が開く一例を並べます。

  15. △3四歩 — 後手が角道を開ける

    3四の歩が8四飛の横利きを遮ります。先手はこの機会に2筋の歩を交換します。

  16. ▲2四歩 — 飛車先を交換する

    2四歩とぶつけます。後手の飛車の位置が決まってから、自分の飛車を前へ出す順番です。

  17. △同歩 — 歩を取る

    後手が2四歩を取りました。先手は飛車で取り返します。

  18. ▲同飛 — 飛車を前へ出す

    飛車で2四の歩を取りました。歩を打たれたとき、2五を引き場所として選びます。

  19. △2三歩打 — 歩で飛車を追う

    後手は2三歩を打ちます。先手は2八へ戻さず、五段目に飛車を残します。

  20. ▲2五飛 — 五段目に飛車を置く

    2五飛は8五まで横に利きます。この利きがあるため、後手の飛車の前へ8五歩を打てます。

  21. △7四歩 — 後手が桂を使う準備

    7三を空ける自然な手です。先手は持ち歩を8筋へ使い、8四飛を動かします。

  22. ▲8五歩打 — 飛車の横利きで歩を支える

    8五歩を2五飛が守っています。後手は飛車でこの歩を取ると先手の飛車に取られるため、引く順を見ます。

  23. △8二飛 — 飛車を引く

    後手は8二飛へ戻しました。先手は2筋の歩をもう一度合わせ、飛車を前へ使います。

  24. ▲2四歩打 — 2筋を再び交換する

    2四に歩を合わせます。8五歩を先に打ったことで、後手の飛車の位置を変えてから動けます。

  25. △同歩 — 合わせた歩を取る

    後手は2四歩を取ります。先手は飛車で取り返して攻めを続けます。

  26. ▲同飛 — 2四へ出直す

    飛車で取り返しました。後手が8五の歩を取りに来たとき、左桂を使う余裕があります。

  27. △8五飛 — 8五の歩を取る

    後手が8五歩を取った一例です。先手は角を動かす前に、左桂を中央へ跳ねます。

  28. ▲7七桂 — 左桂を参加させる

    7七桂は6五へ進む狙いです。後手の飛車が前へ出ている間に、攻め駒を増やします。

  29. △8三飛 — 飛車を三段目へ引く

    後手は8三へ引きました。先手は6五桂で中央へ圧力をかけます。

  30. ▲6五桂 — 中央へ桂を使う

    6五桂は5三と7三を狙います。飛車だけで追いかけず、相手の歩や銀の配置へ働きかけます。

  31. △6四歩 — 桂の頭へ歩を突く

    後手は6四歩で桂を追う狙いです。先手は角交換を挟み、持ち角を攻めに使える形にします。

  32. ▲2二角成 — 角を交換する

    2二の角を取り、馬を作ります。後手が取り返した後、8筋の歩が攻めの足場になります。

  33. △同銀 — 銀で取り返す

    双方が角を持ちました。後手の飛車は8三にいるので、歩を打って飛車を動かす狙いが残っています。

  34. ▲8四歩打 — 持ち歩で飛車へ働きかける

    8四歩で8三飛を追います。△同飛には▲6六角で飛車に当てながら3三への成り込みを狙えます。歩を持っていた効果が現れた局面です。

    この変化の振り返り次は後手が8四歩を取るか飛車を逃がすかを見て、持ち角の打ち場所を決めます。取られた場合の6六角は飛車取りになりますが、別の逃げ方まで同じ順にはなりません。先手は持ち歩を使い切っているため、8筋の受けに新しく歩が必要かも確認します。

△3六飛への対応

歩交換を保留した形から、後手が△3六飛と横歩を取る分岐です。空けておいた9七へ角を出し、持ち歩で8筋を狙う順を学びます。

この手順を盤面で確認する
手順と一手ごとの解説

15手目の開始局面からの手順です。盤面では初形に戻して出だしも確認できます。

  1. △3六飛 — 後手が横の歩を取る

    8六の飛車で3六の歩を取ります。後手は歩を得ましたが、飛車が8筋を離れたことで、先手にも狙いが生まれます。

  2. ▲9七角 — 端歩で空けた場所を使う

    角を9七へ出します。角が8六と5三に利くようになり、△8六飛と戻る手を抑えながら後手陣を狙えます。

  3. △5二玉 — 5三を守る

    5二に玉を上げ、角に狙われた5三の歩を支えます。後手の飛車は3六にいて、8二は空いています。

  4. ▲8二歩打 — 持ち歩で桂を狙う

    8二に歩を打ち、次に8一の桂を取って成る狙いを作ります。先に9七へ角を出したため、飛車を8六へ戻す手も抑えています。

  5. △3四飛 — 飛車を四段目へ戻す

    後手が3四へ飛車を戻した一例です。8六には9七角が利いているため、8筋へ戻って歩を取る順は使いにくくなっています。

  6. ▲8一歩成 — 狙っていた桂を取る

    8一の桂を取って歩を成りました。先に9七角を出した効果が、桂を取れた局面で確認できます。

  7. △同銀 — 銀でと金を取る

    7二銀でと金を取れます。先手に8一のと金が残る形ではなく、歩一枚と引き換えに桂を得た結果です。

    この変化の振り返り8一のと金は7二銀に取られましたが、先手は歩一枚と引き換えに桂を得ています。次は持ち桂を活用しつつ、後手の3四飛による攻めに備えます。と金が残ることを前提に攻めを数えないようにします。

現代相掛かり・8六の垂れ歩を受ける

8七へ歩を打たずに組んだ局面で、後手が8六へ歩を垂らした場合です。8四飛に角を当ててから、8八に歩を打って侵入を止めます。

この手順を盤面で確認する
手順と一手ごとの解説

19手目の開始局面からの手順です。盤面では初形に戻して出だしも確認できます。

  1. △8六歩打 — 8筋へ歩を垂らす

    後手は8六に歩を打ち、8七への侵入を見せます。先手は角を使って飛車を追いながら受けます。

  2. ▲6六角 — 角を飛車に当てる

    6六角が8四飛を狙います。後手に飛車を動かしてもらう間に、8八の空所を受けに使えます。

  3. △8二飛 — 飛車を引く

    後手は8二へ戻りました。先手は8六の歩を無理に取りにいかず、後ろへ歩を打ちます。

  4. ▲8八歩打 — 歩の侵入を止める

    8八歩が8七を守ります。8七歩を省いたために残っていた持ち歩を、相手の攻めに応じて受けへ使いました。8七歩で受ける形と違い、相手の歩が8六に残るため、8八歩で成り込み先の8七を守ります。

    この変化の振り返り次は相手が8七歩成を狙うか、別の筋へ転じるかを見ます。8八歩が8七を守る一方、6六角を動かすと8筋への利きも変わります。持ち歩はもうないので、歩を打って受け直せると決めつけず、金銀の配置も整えます。