棒銀

四枚落ちの棒銀は、下手が飛車と銀を2筋へ集め、飛車先の歩を交換してから端を破る定跡です。上手には飛車・角と両方の香がないため、得た歩を1二へ打ってと金を作る攻めが有力な狙いになります。銀を前へ出すだけでなく、歩と香を合わせる順序や上手の受けを確認します。

棒銀の基本・1二歩の垂れ歩

6手目学習の開始局面
上手持ち駒手番
  • 持ち駒なし
下手持ち駒
  • 持ち駒なし
棒銀の基本・1二歩の垂れ歩▲2五歩

一歩を持って棒銀を繰り出す

下手が2五歩と飛車先を伸ばした局面です。まず2筋の歩を交換して一歩を持ち、銀を3八・2七・3六・2五へ運びます。この持ち歩を1二へ打つのが端攻めの要点です。上手の玉の受け方や、垂れ歩を省く失敗例も比べましょう。

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【新装版】駒落ち定跡

駒落ちを体系的に学ぶ方に

【新装版】駒落ち定跡

所司和晴

マイナビ出版 ・ 2023年刊

八枚落ちから香落ちまで、下手の狙いと上手の応手をまとめた定跡書。二枚落ちや飛車落ちなどを引き比べて学べます。内容は2000年・2010年版と同じです。

棒銀の解説

四枚落ちの棒銀は、下手が飛車と銀を2筋へ集め、飛車先の歩を交換してから端を破る定跡です。上手には飛車・角と両方の香がないため、得た歩を1二へ打ってと金を作る攻めが有力な狙いになります。銀を前へ出すだけでなく、歩と香を合わせる順序や上手の受けを確認します。

棒銀の基本・1二歩の垂れ歩

下手が2五歩と飛車先を伸ばした局面です。まず2筋の歩を交換して一歩を持ち、銀を3八・2七・3六・2五へ運びます。この持ち歩を1二へ打つのが端攻めの要点です。上手の玉の受け方や、垂れ歩を省く失敗例も比べましょう。

この手順を盤面で確認する
手順と一手ごとの解説

6手目の開始局面からの手順です。盤面では初形に戻して出だしも確認できます。

  1. △3二金 — 2筋を金で守る

    3二金が2三を支えます。下手は2四歩から一歩を持ち駒にします。

  2. ▲2四歩 — 飛車先を交換する

    2四歩をぶつけます。歩を取らせて、飛車で取り返せる配置です。

  3. △同歩 — 上手が歩を取る

    2三歩が2四へ進みました。下手は飛車で取り返します。

  4. ▲同飛 — 一歩を手にする

    2四飛で歩を回収しました。この持ち歩を後に1二へ打つのが、棒銀の大切な狙いです。

  5. △2三歩打 — 歩を打って受ける

    上手が2三歩を打ちました。下手は飛車を引き、銀を運ぶ準備をします。

  6. ▲2八飛 — 飛車を元の位置へ

    2八飛で銀の進路を空けます。2五が空いているので、銀を3六から2五へ使えます。

  7. △5二玉 — 玉を5二へ上がる

    上手は居玉を避けます。この基本形では玉が中央に残り、右金を前に使います。

  8. ▲3八銀 — 棒銀を繰り出す

    3九銀を3八へ。2七・3六・2五と進め、1筋と2筋を同時に狙います。

  9. △7二金 — 金を7二へ

    上手は右金を7三へ上がる準備です。下手は銀を飛車の前へ運びます。

  10. ▲2七銀 — 銀を2七へ

    2七銀から3六へ回ります。飛車の支えを受けながら、端へ出る経路です。

  11. △7四歩 — 金の前を空ける

    7四歩で7三を空けました。上手は金を6四へ出して反撃を用意します。

  12. ▲3六銀 — 銀を3六へ回る

    3六銀で次の2五銀を用意します。歩交換で2五を空けた効果が出ます。

  13. △2二銀 — 2二銀で端を守る

    上手の銀は1三と2三を守っています。銀一枚を無理に突っ込まず、歩と香も使います。

  14. ▲1六歩 — 端歩を伸ばす

    1六歩から1五歩へ進み、上手の1三歩にぶつける準備です。

  15. △7三金 — 上手の金が前へ

    7三金から6四金と進む形です。下手は端の攻めを整えます。

  16. ▲1五歩 — 1筋の位を取る

    1五歩まで進めました。銀が2五へ出れば、1四へ歩をぶつけて攻められます。

  17. △6四金 — 金が6四へ出る

    上手は中央から反撃する構えです。下手は攻めを急ぐ前に、棒銀を狙いの位置へ置きます。

  18. ▲2五銀 — 銀が2五へ到着

    2五銀が1四と2四を狙います。1五歩・1九香・2八飛と組み合わせて1筋を攻めます。

  19. △5五歩 — 角道を止める歩

    上手は5五歩で8八角の利きを止めました。下手は先に2筋の飛車先交換で得た持ち歩を、1筋の攻めに使います。

  20. ▲1四歩 — 端歩を突き捨てる

    1四歩とぶつけます。すぐ銀で取り返すだけでなく、上手の歩の後ろへ歩を打つのが要点です。

  21. △同歩 — 上手が端歩を取る

    1三歩が1四へ出ました。これで1二に歩を打てます。下手の1筋の歩は盤上から消えているので二歩ではありません。

  22. ▲1二歩打 — 一歩を1二へ打つ

    1二歩は次の1一歩成を狙う垂れ歩です。先に飛車先交換で得た歩を使います。すぐ1四銀と取る場合との違いを分岐で確認できます。

  23. △4四銀 — 銀が中央へ出る

    上手は5三銀を4四へ進めました。下手は1二歩をすぐ成らず、棒銀を働かせます。

  24. ▲1四銀 — 銀で端歩を回収

    1四銀で歩を取ります。1二歩と銀が両方あるため、上手は1三歩だけでは攻めを止めにくい形です。

  25. △1三歩打 — 歩を打って銀を追う

    1三歩を打ち、次に銀を取る受けです。下手は2三へ成り捨てて銀を働かせます。

  26. ▲2三銀成 — 2三で銀を成り捨てる

    2三銀成で歩を取り、上手の2二銀を動かします。1二歩を成らせるための駒の使い方です。

  27. △同銀 — 上手銀が取り返す

    2二銀が2三へ動きました。1一への利きがなくなり、下手の歩が安全に成れます。

  28. ▲1一歩成 — 端にと金を作る

    1一歩成でと金を作りました。銀一枚を渡す代わりに、2一桂を狙うと金と、1筋から成り込む香で攻めを続ける構想です。

  29. △3五銀 — 上手銀が3五へ

    中央の銀が下手陣へ近づきます。下手はまず桂を取り、と金を活用します。

  30. ▲2一と — と金で桂を取る

    2一とで桂を持ち駒にしました。2筋の上手陣にと金が残り、金への圧力になります。

  31. △1四歩 — 上手が1四へ歩を進める

    1三歩が1四へ出ました。下手はと金で金を動かし、香を成る準備をします。

  32. ▲3一と — と金で金を動かす

    3一とは3二金を狙います。金が2二へ動く応手を見てから、香を前へ進めます。

  33. △2二金 — 金が2二へ寄る

    上手は金をと金から逃がしました。下手は1四歩を香で取り、攻め駒を増やします。

  34. ▲1四香 — 香で1四歩を取る

    1九香が1四へ出ました。1三に成るには2二金の利きがあるため、先にその金を動かします。

  35. △6五金 — 金が下手側へ進む

    6五金と上手も攻めを見せます。下手は端の金を追い、成香を作ります。

  36. ▲2一と — と金を2一へ戻す

    2一とで2二金を狙います。と金を前後させ、金が守っている1三を空けるのが目的です。

  37. △3二金 — 金が3二へ戻る

    上手の金が2二を離れました。1三が金の利きから外れ、香を成れます。

  38. ▲1三香成 — 成香を加えて攻めを継ぐ

    1三香成で、と金と成香の二枚ができました。銀を渡して桂を得た交換に、成り駒の働きを加えた局面です。以後は2二成香で金を追い、飛車を成り込む順を目指します。

△4三玉型にも垂れ歩を使う

上手が7三金と攻める代わりに、4四歩・4三玉で端の守りへ近づく形です。中央を整える応手の一例を通して、1二歩からと金を作る筋がどこまで共通か確かめます。

この手順を盤面で確認する
手順と一手ごとの解説

20手目の開始局面からの手順です。盤面では初形に戻して出だしも確認できます。

  1. △4四歩 — 玉で端に近づく準備

    上手は7三金に代えて4四歩と突きました。4三玉で1・2筋の守りに近づく指し方です。

  2. ▲1五歩 — 端歩を予定どおり進める

    1五歩まで進めます。上手玉の位置が変わっても、銀・歩・香で端へ働きかける基本は共通です。

  3. △4三玉 — 上手玉が4三へ

    4三玉は3四・3三・4四などを支えます。基本形よりも端の戦場に近い配置です。

  4. ▲2五銀 — 銀を2五へ

    2五銀で1四を狙います。ここでも先に歩を1二へ打つ筋を使います。

  5. △3四歩 — 3筋にも厚みを作る

    3四歩で上手玉の前を広げます。下手は1筋の歩交換から動きます。

  6. ▲1四歩 — 端歩を突き捨てる

    1四歩とぶつけます。玉の位置に合わせて受けが変わる可能性はありますが、この応手では1二歩を狙えます。

  7. △同歩 — 1三を空けさせる

    上手が1四歩と取りました。下手の持ち歩を1二へ打ちます。

  8. ▲1二歩打 — 垂れ歩で攻めを残す

    1二歩を打ちました。銀で歩を取ってから受けを考える順より、先に成り込みを残すのが大切です。

  9. △6四歩 — 中央を整える一例

    ここでは上手が6四歩と中央を整える応手を確認します。1二歩以降の指し手をすべて同じ順で強制できるわけではありません。

  10. ▲1四銀 — 棒銀を前へ出す

    1四銀で歩を取ります。1二歩と銀の二つを、次の成り込みに使います。

  11. △1三歩打 — 歩で銀に当てる

    1三歩で銀を追います。基本形と同じく2三銀成からと金を作る筋へ進めます。

  12. ▲2三銀成 — 銀を2三へ成る

    2三銀成で歩を取り、上手の銀を2二から動かします。

  13. △同銀 — 銀が2二を離れる

    2三銀で取り返しました。上手玉が4三にいても、この交換で1一への利きが消えます。

  14. ▲1一歩成 — と金を作るところまで

    1一歩成で端に攻め駒を作れました。次は2一桂を取る狙いです。基本形より上手玉が近いため、桂を取った後の寄せまで同じと考えず、玉と金銀の位置を見て進めます。

失敗例・先に1四銀と取ると

1四歩を上手に取られた局面から比較します。1二歩を省いて銀で取ると、1三歩で受けられます。銀と香を交換した後、上手が取った香を受けに使うところまで進めます。

この手順を盤面で確認する
手順と一手ごとの解説

27手目の開始局面からの手順です。盤面では初形に戻して出だしも確認できます。

  1. ▲同銀 — 垂れ歩を省く失敗例

    ここで先に1四銀と取ると、上手は1三歩で受けられます。1二に歩がない違いを、交換の終わりまで確認します。

  2. △1三歩打 — 1三歩で止める

    上手は銀を追いながら、1筋の入口をふさぎます。下手が無理に銀と香を進めるとどうなるでしょうか。

  3. ▲同銀成 — 銀を成り捨てる

    1三銀成で歩を取りました。2二銀と2一桂が残っているため、香で取り返してもさらに取られます。

  4. △同銀 — 上手銀が取り返す

    2二銀で取りました。下手は香で銀を取れますが、その先の桂の利きまで数えます。

  5. ▲同香成 — 香で銀を取る

    1三香成で銀を回収しました。しかし2一桂が1三に利いています。

  6. △同桂 — 桂で成香を取る

    上手が桂で取り返しました。銀同士の交換に加え、下手は香を失い、上手はその香を持ち駒にしています。

  7. ▲1四歩打 — 歩で桂を狙う

    1四歩を打って桂を取りにいく手です。上手には、今取った香を受けに使う手があります。

  8. △1一香打 — 取った香で受けられる

    1一香が1三桂を支えます。▲1三歩成なら△同香と取り返せるため、すぐ桂を回収できません。1二歩を先に打った基本形と違い、香を失って攻めを止められています。