入玉は玉の位置、持将棋は対局の決着

入玉(にゅうぎょく)は、自分の玉が敵陣へ入った状態です。先手なら一〜三段目、後手なら七〜九段目。両方の玉が入れば相入玉と呼びます。

入玉しても、王手を受ければ解く必要があり、詰まされれば負けです。一方、互いに詰ます見込みがなくなったときなどに、規定に従って決着をつけるのが持将棋や入玉宣言の話です。

「両玉が敵陣にいる」「たくさん駒を持っている」という見た目だけで、自動的に引き分けになるわけではありません。合意で点数を調べる方法と、自分の手番で宣言する方法を区別します。

参照:[1]

点数は飛車・角が5点、ほかは1点

まず駒1枚の点数を覚えましょう。玉は点数に入れません。成っても点数は変わらず、と金は1点、竜と馬はそれぞれ5点です。

持将棋・宣言で使う駒の点数
駒1枚の点数
飛車・角・竜・馬5点
金・銀・桂・香・歩と、その成り駒1点
玉・王数えない

平手の全駒では合計54点です。ただし、どの場所の駒まで合計するかは、次に説明する方式によって変わります。

参照:[1][2]

合意による24点法:盤上全部と持ち駒を数える

日本将棋連盟の対局規則では、入玉や相入玉で互いに詰ます見込みがなくなり、双方が合意した場合、各自の駒を数えます。ここでは、玉以外の盤上すべての自駒と持ち駒が対象です。

双方が24点以上なら無勝負で指し直し。片方が24点に満たなければ、その側の負けです。片方が31点持っていても、もう片方が残りの23点なら、同じ「両者24点以上」にはなりません。

これは合意による点数判定です。次の入玉宣言にある「敵陣に玉以外10枚」という条件を、そのまま当てはめるものではありません。

参照:[1][2]

入玉宣言:敵陣の10枚と、31点を分けて確認

合意に至らず、500手未満の場合に使えるのが、対局規則第9条の入玉宣言法です。宣言は自分の手番で、時間内に、手を指さずに行い、時計を止めます。次の条件をすべて満たす必要があります。

  • 自分の玉が敵陣3段以内にいる。
  • 敵陣3段以内に、自分の玉以外の駒が10枚以上ある。持ち駒はこの枚数に入れない。
  • 自分の玉に王手がかかっていない。
  • 敵陣3段以内の自駒(玉を除く)と持ち駒の合計が24点以上ある。

点数が31点以上なら宣言側の勝ち、24〜30点なら無勝負で指し直しです。条件を一つでも欠いて宣言すると、宣言側の負けになります。

相手の玉も入玉している必要はありません。また、盤上の自駒でも敵陣の外にある駒は、この点数に加えません。「10枚」と「点数」は別々に確認するのが大切です。

参照:[1]

計算例:敵陣10枚、持ち駒を足して31点

下の部分図で、先手の点数を数えてみます。玉は2三。敵陣にいる玉以外の自駒は、飛車・角と、小駒8枚の計10枚です。成桂も1枚・1点として数えます。

8八角を加えないのがポイント

後手の持ち駒なし
先手の持ち駒飛1歩8先手番
先手の駒と両玉を示した計算用の部分図。敵陣の10枚が18点、持ち駒が13点。8八角は宣言の点数に含めません。
宣言で数える先手の点数
場所計算
敵陣の駒飛車5+角5+小駒8=18点
持ち駒飛車5+歩8=13点
合計18+13=31点
敵陣の外の8八角加えない

この図では敵陣10枚と31点の両方を満たし、先手玉に王手もありません。先手番で所定の宣言・時間の条件を満たせば、31点以上による勝ちの条件がそろいます。

もし敵陣の歩1枚を持ち駒へ移した形なら、合計点は同じでも敵陣は9枚です。点数だけを見て宣言はできません。

参照:[1]

27点法の大会では、必要点が違う

大会や対局サービスでは、別の方式が採用されることがあります。日本将棋連盟のFAQで紹介されるアマチュアの宣言法では、先手は28点以上、後手は27点以上で宣言勝ちです。敵陣の玉、玉以外10枚、王手がないこと、時間内という条件も必要です。

この方式でも、宣言の点数は敵陣の自駒と持ち駒で数えます。「27点法だから先手も27点で宣言できる」とは限りません。

また、合意による27点制では、双方27点のときに指し直すか後手勝ちとするかを主催者が定めます。参加する大会や利用するサービスのルールで、合意か宣言か、何点で勝ちかを確認してください。

参照:[1][2]

指し直しと、千日手との違い

対局規則で持将棋の無勝負となった場合は、先後を交代して指し直します。指し直し局の持ち時間などは、棋戦・大会の規定によります。

同規則には、合意に至らず500手に達した場合の規定もあります。この場合は点数によらず持将棋となり、500手目で王手が続いていれば、その連続王手が途切れた段階で指し直します。

千日手も指し直しにつながりますが、成立条件は別です。千日手は、駒の配置・持ち駒・手番が同じ局面の繰り返しで判断し、駒の点数は数えません。

  • 千日手とは?

    同じ局面をどう数えるか、具体的な手順で確認する。

参照:[1]