美濃系の4つの形

片美濃・本美濃・高美濃・銀冠の図を並べました。金銀の位置を見比べ、守る場所の違いと、組み替えるときの注意点を確かめましょう。

4つの形を見比べる

片美濃

2八玉・3八銀・4九金の形。

3八銀と4九金で玉を支える形。もう一枚の金は、この図では6九に残っています。

片美濃の守りと組み方

本美濃

2八玉を、3八銀・4九金・5八金で守る。

5八に金を加えた、金二枚・銀一枚の形。4九金が5八金を、3八銀が4九金を支えています。

本美濃の守りと組み方

高美濃

4筋の歩を突いて4七を空け、5八の金を4七へ上げる。

5八の金を4七へ進めた形。4六・3六への利きが加わる一方、5八金による6八の守りはなくなります。

高美濃の守りと組み方

銀冠

2八玉の前に2七銀。3八金・4七金が支える。

銀を2七、金を3八へ。2七銀が1六・2六・3六を守り、3八金が2七銀と4七金をつなぎます。

銀冠の守りと組み方

図は先手の振り飛車側から見た完成形の一例です。色の付いたマスに注目して見比べてください。4つの形は強さの順位ではなく、必ずこの順に組むわけでもありません。相手の駒などを省略した参考図で、実戦では相手の攻めに合わせて形を選びます。

金銀の働きと、組み替えの注意点

相手が攻めてくる方向と、囲いに使える手数を考えます。それぞれの形で、守る場所がどう変わるかを見ていきましょう。

片美濃囲い

守りの働き
3八の銀と4九の金は互いを守っています。本美濃との違いは、左の金を5八まで寄せていないこと。囲いに使う手数を抑え、左金の行き先を保留できます。
組むとき・組み替えるとき
先に飛車を振り、玉を2八へ移し、右銀を3八へ上げるのが代表的な組み方です。ただし、玉と銀を動かす順序は相手の出方で変わります。角交換四間飛車では、左金を7八へ使う形もあります。
気をつけたいこと
左金が6九にあるこの図には、5八金による4八・6八への支えがまだ加わっていません。囲いが小さいまま戦うときは、攻めに使う手数と玉の安全を両方見ます。片美濃だから必ず5八金まで組む、とは限りません。

美濃囲い(本美濃)

守りの働き
一般に美濃囲いと呼ばれる基本形で、片美濃と区別するときは本美濃とも呼びます。5八金には4八・6八への利きがあり、玉から離れた横の攻めに対しても金銀の連結を生かせます。
組むとき・組み替えるとき
左金を5八へ寄せると、この参考図の本美濃になります。実戦では、相手がすぐ仕掛けるのか、持久戦にするのかを見ながら組みます。形ができた後も、攻めに備える手や自分の仕掛けを考えます。
気をつけたいこと
横からの攻めに強いとされますが、どの攻めにも耐えるわけではありません。端や玉の頭への攻め、金銀の連結を切る攻めには注意が必要です。1六歩を突いている図でも、相手の利きによっては1七へ逃げられません。

高美濃囲い

守りの働き
4七金は4六・3六を守り、上からの攻めに備えます。その金は3八銀に支えられています。本美濃から金を上げることで、守りの重点が下段から上部へ移ります。
組むとき・組み替えるとき
4七の歩を4六へ進め、空いた4七へ5八の金を上げるのが基本です。3六歩・3七桂を組み合わせる形もありますが、この図では桂を2九に残しています。桂跳ねまでが常に一組の必須手順ではありません。
気をつけたいこと
金を上げれば守りがすべて増えるわけではありません。5八金がなくなると6八への金の利きもなくなります。相手の飛車が横や下段へ入りそうな局面では、その変化を確かめてから組み替えます。

銀冠

守りの働き
玉の頭に出た2七銀が、1六・2六・3六を守ります。3八金は2七銀を支え、銀も3八金を守っています。上部を厚くする形ですが、端や下段から攻められる可能性は残ります。
組むとき・組み替えるとき
高美濃からなら、2七の歩を2六へ進め、3八銀を2七へ上げ、4九金を3八へ寄せる組み替えが代表的です。この参考図は3六歩型ですが、その歩突き自体は3八金と寄るための条件ではありません。
気をつけたいこと
銀だけが2七へ上がった途中では、3八銀が支えていた4九金・4七金への利きが消えます。3八金まで組める余裕があるか、相手の仕掛けを確認します。完成形だけを見て、銀冠なら常に安全だと判断しないことが大切です。

実際の手順で確かめる

相手の指し手も含めて、囲いと攻めの準備を並べます。